JRDB 外厩データ 2021.07 — 2026.08

誰が、どこに、何日預けているか

いただいた外厩データにJRAの成績を突き合わせて、調教師・馬主・生産者ごとの預け先を全部数えました。23万9千走ぶんの名鑑です。

MEIKAN

外厩名鑑

名前で引けます。調教師・馬主・生産者を切り替えて、並べ替えの軸も変えられます。外厩率は前走のあと放牧を挟んだ割合、短期は帰厩13日以内で使った割合、じっくりは41日以上置いた割合です。

短期・じっくり・集中度の分母は外厩を使った回数で、出走数ではありません。カード下段に件数を出しています。率で並べ替えるときは母数50件未満を外しています。

系列の帯について。施設マスタで系列を確定できたのは上位29施設だけです。地方の中小施設を中心に使う方は「未確認」が大きく出ます。分母の話であって、実態が不明という意味ではありません。
KEITO

2本の系統は交わらない

生産者から馬主、外厩までの流れを数えると、ノーザンファーム系と社台ファーム系がきれいに分かれていました。同じ社台グループのクラブでも預け先が違います。

生産者所属主な預け先件数
ノーザンファーム美浦ノーザンファーム天栄8,259
ノーザンファーム栗東ノーザンファームしがらき10,378
社台ファーム美浦山元トレーニングセンター4,576
社台ファーム栗東グリーンウッド・トレーニング2,622
社台ファーム栗東社台ファーム鈴鹿988

クラブ馬主で見るともっとはっきりします。サンデーレーシングのノーザンF系比率が99.4%、シルクレーシング99.7%、キャロットファーム97.7%。そして社台レースホースは0.1%です。

栗東の社台系はいま入れ替わりの最中でした。2024年に開いた社台ファーム鈴鹿が134件→457件→397件(2026年は8月まで)と伸びる一方、グリーンウッド・トレーニングは2022年668件から2026年136件まで落ちています。

自前の施設を持つ方は、そこに集める

馬主預け先集中度出走
八木 良司宇治田原優駿ステーブル98.3%979
カナヤマホールディングスフォレストヒル97.6%939
由井 健太郎KSトレーニングセンター94.9%698
ミルファームミルファーム千葉87.6%2,802
前田 晋二大山ヒルズ87.1%438
西山 茂行西山牧場阿見分場72.7%2,360
SHISETSU

外厩ファイル

6年間で348施設が出てきました。上位40で全体の84%です。短期が高いほど帰厩後すぐ使う施設、じっくりが高いほど長く置く施設。同じ「外厩」でも運用がまったく違います。

DATA

数えてみて分かってきたこと

ここからは成績と突き合わせた話です。ただし人気を揃えずに比べると必ず間違えます。ノーザンファーム天栄の馬が好成績なのは、天栄の仕上げが良いからではなく、そこに集まる馬が強いからです。なので人気帯で区切って比べました。

外厩帰り vs 在厩継続 ── 複勝率

2021.07-2026.08/取消・除外を除く

人気を揃えると、外厩を挟んだ馬と在厩のままの馬で複勝率はほとんど変わりません。差が出るのは10番人気以下だけでした。

帰厩してから何日目に使うか ── 複勝率

1〜3番人気に限定(馬質をそろえるため)/放牧を挟んだ馬のみ

14〜20日をピークに、置く日数が延びるほど下がります。41日以上は複勝率47.8%・複勝回収75.4まで落ちました。ただし長く置いた馬は休み明けでもあるので、この数字だけでは日数の効果と休み明けの効果を切り分けられません。

いま言えるのはここまでです。「外厩帰りは買い」とは言えませんし、「41日以上は消し」とも言えません。次はレース間隔を固定して、日数だけを動かしたときに差が残るかを見ます。

NOTES

このデータについて

  1. 集計の対象は2021年7月31日から2026年8月9日までのJRA全レース、23万9,727走です。外厩の情報はJRDBの調教分析データ、成績と調教師・馬主・生産者はTARGET frontier JV(JRA-VAN)のものを使っています。
  2. 「外厩率」は前走のあと放牧を挟んだ割合です。放牧先の名前はほぼ全馬に付いていますが、今回そこへ行ったとは限りません。過去に使った施設が残って表示されるためで、実際に挟んだのは6割弱です。
  3. 「短期」「じっくり」「集中度」の分母は外厩を使った回数で、出走数ではありません。カード下段に件数を出しています。率で並べ替えるときは母数50件未満を除外しています。
  4. 系列は各施設の公開情報で確認できたものだけを入れています。確認できなかった施設は「未確認」のままにしてあり、推測で埋めていません。施設ランク(A〜E)は判定基準が公開されていないため、この名鑑では扱っていません。

数字の読み方と検証結果は、ブログのシリーズ記事に詳しく書いています。この名鑑は、その記事を読みながら気になった厩舎や馬主を引くための道具として作りました。