競馬予測の常識を覆す。「ジャンプする馬」を探すのをやめたら、本当に勝てる馬が見つかった話

PJX予想法
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はじめに

競馬予測に取り組む多くの人が、同じ壁にぶつかります。それは、「次のレースで急激にパフォーマンスを上げる馬」、いわゆる「ジャンプする馬」をいかにして見つけ出すかという難題です。過去のデータを見つめ、「この馬は何かをきっかけに激走するかもしれない」と、漠然とした期待を込めて印を打つ。しかし、その多くは不発に終わり、なぜ読み違えたのかを振り返る日々。この繰り返しに、もどかしさを感じている方も少なくないでしょう。

もし、その「ジャンプする馬を探す」というアプローチ自体が、予測を難しくしている根本的な原因だとしたらどうでしょうか?実は、視点をほんの少し変えるだけで、予測の精度は劇的に向上します。カギは、「ジャンプ」そのものを探すのではなく、まず勝利に必要な「ジャンプ量」を定義すること。そして、そのジャンプを「才能の開花」ではなく、「本来の能力を抑えつけていた“抑制理由”が取り除かれる現象」として捉え直すこと。このシンプルな発想の転換が、曖昧な期待を具体的な分析へと変え、本当に勝てる馬を見抜くための強力な武器となるのです。

1. 発想の転換:「ジャンプする馬」を探すな。「必要なジャンプ量」を定義せよ

予測の精度を高めるための第一歩は、驚くかもしれませんが、「ジャンプしそうな馬」を探すのをやめることです。代わりに、レースに勝つために「どれだけの能力の伸びが必要か」を数値で定義し、その数値を埋められる論理的な根拠を探すことから始めます。

この分析の核となるのは、以下の3つの変数です。

  • 目標補9 (T): このレースの「勝ち切り水準」となる能力指数
  • 現在地 (B): その馬の直近の安定した能力指数(直近2〜3走の中央値)
  • 必要ジャンプ量 (Jreq): T−B で算出される、勝利のために「必要な能力の伸び」

この単純な引き算が、予測の問題構造を根底から変えます。問いはもはや「どの馬がジャンプするか?」という漠然としたものではなくなります。私たちの真の目的は、本当の実力は高いにもかかわらず、何らかの明確な理由によって近走のパフォーマンスが抑えられている馬、つまり「抑制理由」を持つ馬を見つけ出すことです。そして、今回のレース条件がその「抑制」を解放するかどうかを分析するのです。

ジャンプ量を探すのではなく、「必要ジャンプ量(Jreq)を埋められる“抑制理由”を持つ馬」を探してください。

2. 天井の確認:そもそも「勝つ資格」はあるか?

具体的な分析に入る前に、絶対にクリアしなければならない冷徹な前提条件があります。それは、その馬がそもそも「このレースを勝つだけの根本的な能力を持っているか」という確認です。私たちはこれを「天井」と呼びます。

天井 とは、その馬が過去に記録した最も高いパフォーマンス指数(過去最高補9)を指します。

ここでのルールは非常にシンプルです。もし、ある馬の天井が、そのレースの目標補9 (T)に遠く及ばない場合、どれだけ他の好材料(スイッチ)が見えても、その馬は候補から即座に除外すべきです。このステップは、根拠のない「夢」の馬券と、論理的に勝ちうる「現実的」な候補とを分けるための最も重要なフィルターとなります。なぜなら、天井が遠すぎる馬は、ジャンプ以前にそもそも『能力が足りない』からです。

3. ジャンプの正体:それは「才能」ではなく「再現性のある癖」である

多くの人が「ジャンプ」を、ある馬が秘めた才能のランダムな爆発だと捉えがちです。しかし、データ分析の観点からは、ジャンプは神秘的な現象ではなく、特定の条件下で再現されやすい「型」を持つ現象です。ジャンプは才能というより、むしろ「起き方に癖がある現象」なのです。

代表的なジャンプの「型」には、以下のようなものがあります。

  • 叩き2戦目ジャンプ型: 休み明けのレースを一度使われた後に、次のレースでパフォーマンスが向上する。
  • 条件回帰ジャンプ型: 距離やコースなどが得意な条件に変わることで、能力が跳ね上がる。
  • 格ストレス解放ジャンプ型: 常に強い相手と戦ってきた馬が、相手関係が楽になることで本来の能力を発揮する。
  • 展開適合ジャンプ型: 特定のレースペース(PCI)にハマった時にだけ、パフォーマンス指数が突出して高くなる。

これらのパターンを理解することは、その馬のジャンプが今回も再現される可能性が高いかどうかを見極めるための鍵となります。私たちは、才能の有無を占うのではなく、再現性のある癖(パターン)を探しているのです。

4. 発動条件:「5つのスイッチ」が揃ったとき、ジャンプは起きる

「天井」をクリアし、その馬の「ジャンプの型」を理解したら、最後のステップに移ります。それは、今回のレース条件が、近走のパフォーマンスを抑えていた「抑制理由」を取り除き、本来の能力を解放するための「発動スイッチ」を押しているかを確認する作業です。スイッチはジャンプを“起こす”のではなく、抑制を“外す”のです。

① 斤量スイッチ

重要なのは、単純に斤量が「軽い」ことではありません。その馬の能力が向上しているスピードに、公式ハンデ(斤量)が追いついていない状況こそがチャンスです。つまり、成長によって抑制されていたパフォーマンスが、制度の遅れによって解放される瞬間を狙います。

“伸びるのに斤量が据え置かれやすい文脈”を拾う

② PCIスイッチ (ペース)

単純な持ち時計の速さではなく、その馬が過去に最高のパフォーマンスを発揮したレースのペース(PCI)と、今回のレースの想定ペースが合致しているかが重要です。不適切なペースによってパフォーマンスが抑制されていた馬が、得意な展開に戻ることで自由加速時間の確保ができ、本来の能力が解放されます。

③ 相手関係スイッチ

これが「格ストレスからの解放」です。前走、強い相手に負けていたとしても、その着差が小さければ、能力は通用していたと判断できます。このスイッチは、強力な相手関係という抑制がなくなることで、「今回のJreqが見かけより軽い」と解釈できることを意味します。着順の悪さに隠された、真の能力を見抜くことが重要です。

④ ローテスイッチ (間隔)

全ての馬には、好走しやすい固有の出走リズム、つまり「癖」があります。苦手な間隔で使われることでパフォーマンスが抑制されていた馬が、得意なローテーションに戻ることで能力を発揮するケースです。その馬独自のパターンを特定することが、ジャンプの再現性を読む上で不可欠です。

⑤ 条件回帰スイッチ (距離など)

距離の延長・短縮やコース替わりといった条件変更が、その馬のパフォーマンスを抑制していた要因を取り除くかを確認します。血統データは、単なる適性判断ではなく、特定の条件変化がジャンプの引き金になる可能性を裏付けるための強力なツールとして機能します。まさに「適性」ではなく“ジャンプした時に性能が跳ぶ装置”として血統を使うのです。

これらのスイッチが複数、同時にONになることで、その馬が「必要ジャンプ量 (Jreq)」を達成する確率は飛躍的に高まります。

問いを変えれば、未来が変わる

競馬予測の精度を高める秘訣は、誰も知らない魔法の公式を見つけることではありません。それは、自分自身が立てる「問い」を変えることにあります。漠然と「ジャンプする馬」を探すのをやめ、論理的なステップを踏むことで、未来のレースはよりクリアに見えてくるはずです。

このアプローチから導き出される、各馬に問うべき本質的な質問は、以下の3つに集約されます。

  1. この馬は目標(T)に届く天井を持つか?
  2. 勝利への必要ジャンプ量(Jreq)は現実的か?
  3. そのジャンプを起こすスイッチ(抑制の解放条件)が今回揃っているか?

あなたも「どの馬がジャンプするか?」と問うのをやめ、「この馬のジャンプは、論理的に説明できるか?」と問い始めたとき、きっと新しい景色が見えてくるはずだ。

【図解】PXJ_v2:補9ジャンプ予測の新機軸

 

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