9月8日阪神5レースの新馬戦(芝2000m)に出走するアルジャンナはPOGの間でも注目の一頭。そのアルジャンナの馬データを見ると、馬主は吉田勝己、生産者ノーザンファーム、種牡馬ディープインパクト、母コマンドコマンド、母父Tiz Wonderful(Matchem系)、市場取引価格18360万円(税込み)とあった。生産者がノーザンファームで馬主が吉田勝己でなんでセレクトセールで買っているの?と疑問に思って調べてみたら、アルジャンナ(コンドコマンドの2017)をセレクトセールで落札したのはKTレーシングでした。
KTレーシングと言えば小倉記念や小倉大賞典を勝ったトリオンフや、2016年のセレクトセールで1億6000万円で落札したスーパーフェザーなどがいました。新興馬主でセレクトセールで高額馬を競り落として話題になっていた馬主でした。
KTレーシングが所有していた現役馬は全て馬主が変わっていた
馬主KTレーシングで所有馬を調べてみると、出てくるのは登録抹消された馬ばかりでした。現役馬は全て所有者が変わっているので、それも調べてみました。すると、新しい馬主になっていたのは吉田勝己(7頭)、桑田牧場(6頭)、椎名節(8頭)、三嶋牧場(2頭)、ロイヤルパーク、岡田壮史がそれぞれ1頭でした。
KTレーシングが所有していた馬一覧
KTレーシングから移籍した馬一覧
吉田勝己が所有したのは全てノーザンファーム生産馬でセレクトセールでお買い上げいただいた馬ですから、買い戻し?なのか譲渡なのか。まあ、ある程度のいい条件で譲渡したのでしょうね。
桑田牧場はどういう繋がりで6頭も所有することになったのか調べてみました。KTレーシングは代表者・黒川哲美氏という方。黒川哲美で検索をすると株式会社T.F.Kという保険の代理店の代表取締役でした。KTレーシングは法人馬主で、そこで勤務していた桑田祐希という方が、現在勤務している桑田牧場と関係があったようです。また、桑田牧場が庭先取引した馬が3頭ほど戻ってきていました
椎名節という人は土木会社の株式会社シイナの代表取締役。馬主歴は浅くて2018年11月4日に福島5レース2歳新馬戦に出走したニコシーナ(7着)が馬主デビュー戦でした。椎名節氏が自身で所有している馬にはシーナの冠名が入っていました。それ以外はKTレーシングが以前所有していた馬たちでした。KTレーシングの黒川哲美氏と椎名節氏の関係は分かりませんでした。ただ、どこかで繋がりがあるから引き受けたのでしょうね。
三嶋牧場は庭先取引した2頭が戻ってきていました。
KTレーシングから移籍が決まっていない馬一覧
実は、2018年と2017年のセレクトセールで落札した馬がいました。まだ、馬データが全て揃っていないので馬主などが分かっていません。でも、生産者がノーザンファームの馬は吉田勝己名義になる可能性が高いですね。
2019年3月に株式会社T.F.Kの5億円の追徴課税
黒川哲美氏が代表を務める株式会社T.F.Kが今年の3月に、国税の調査で不正会計が発覚し金融機関に対して、借入金の元本返済猶予(リスケ)を要請したことが所有馬を手放すことになった要因かと思います。吉田勝己氏が所有することになった6頭はすべてセレクトセールで落札したと書きましたが、6頭の総額は9億4824万円(税込み)ですからちょっと使い過ぎではなかったのかな?
今年のセレクトセールでも新興馬主と思われる方たちが、高額馬を落札していましたが本業が疎かになると馬主を辞める事になるので、大きなお世話ですが身の丈に合った馬主人生を送ってほしいですね。個人馬主の方が頑張ってくれるから競馬は面白くなりますから。
参考サイト
コメント