3連休の重賞、シンザン記念は2人気のサンクテュエールが勝ち、フェアリーSは3人気のスマイルカナが勝ちました。両馬に共通するのは父がディープインパクト。2歳クラシックはディープインパクト産駒が強いのは分かっていましたが、社台が送り込んだ良血馬の方が能力は上だと思っていたので、この惨敗にはちょっと驚きました。まあ、どちらも3歳牝馬なので絶対の信頼度ではないにしても着外に敗れるとは思ってもみませんでした。
シンザン記念はディープインパクト産駒が勝利
1人気のルーツドールは新馬戦を5馬身差の圧勝。勝ちタイムは1分33秒3で、上がり3Fは34秒2とメンバー中最速でした。2番手から楽に抜け出しての勝利で、まだ余裕があっただけに今回1人気に支持されたのは当然。父ジャスタウェイ、母リュヌドールで兄にフィエールマンがいる血統。馬主はサンデーレーシング、生産者はノーザンファームなので、新馬戦を勝ったあとはNFしがらきに短期放牧です。520キロの馬体で、当日は-4キロと太め感はなし。パドックでもチャカついたところはないので、どんな競馬をしてくれるか楽しみでしたが5番手からの競馬でさっぱり伸びませんでした。前半3F35秒4、1000m通過60秒2と馬場を考慮してもやや遅めの流れでしたので、もう少し伸びても良かったと思ってしまった。レース後の川田騎手のコメントでは「枠順(〔8〕枠(9)番)で外を回る形になったとはいえ、負け過ぎですね。これからその原因を探らないといけません」と原因がわからない様子。3歳牝馬ということでなのでこういうこともあるのか。
勝ったサンクテュエールはアルテミスSでリアアメリアと接戦を演じた馬。馬主はキャロットファーム、生産者はノーザンファーム、父はディープインパクトで管理するのは美浦の藤沢和雄厩舎。関西の牡馬混合戦に牝馬で挑むあたりは先を見据えてのことか。勝ち時計は平凡だが、輸送を経験してのことですからね。着差はわずかですが、鞍上のルメールは余裕でしたので余力を残しての勝利だと思います。
フェアリーSもディープインパクト産駒が勝利
1人気に支持されたのはアヌラーダプラ。父キングカメハメハ、近親にシンハライト、馬主はキャロットファームで生産者はノーザンファーム、鞍上はルメール、2戦2勝とくれば人気になるべくしてなったという感じでしょう。それが、レースでは伸びずバテずで流れ込んだだけ。後ろの馬に差されるなどさっぱりの競馬でした。レース後のコメントでルメールは距離が長いというようなことを言っていますが、どうなんでしょうね。
勝ったスマイルカナは逃げたレースでは3戦3勝。負けた赤松賞では好位からの競馬で伸び負けしていることからも先手を取ったほうが良いタイプなのかも。今の中山は内有利、先行有利ということもあっていたようです。スマイルカナは父がディープインパクトで近親には快速馬エイシンヒカリがいる。馬主はマイネルの総帥岡田繁幸氏、生産者は新ひだか町の木田牧場。1歳のセレクトセールで岡田繁幸氏が6048万で落札した馬でした。岡田繁幸氏の所有馬を検索してみると、ディープインパクト産駒はスマイルカナだけでした。サラブレッドクラブ・ラフィアン名義では何頭かディープインパクト産駒がいますが、活躍馬は出ていませんでした。スマイルカナは4戦3勝で、収得賞金は2650万ですから桜花賞には出走権がなくても賞金順で出走可能。420キロと小さい馬なので、休養してパワーアップすると面白い存在になるかも。エイシンヒカリの近親で、逃げ馬というのもいいですね。岡田繁幸氏のことですから、本番前に一度使うことも考えられる。そこで、惨敗しても桜花賞では楽しみな存在だと思います。
3歳重賞はディープインパクト産駒が圧倒的に強い
年明けの3歳限定の2つの重賞はディープインパクト産駒が勝ちました。シンザン記念のルーツドールの父ジャスタウェイはハーツクライ系で、初年度産駒からヴェロックスやロードマイウェイを輩出している期待の種牡馬。また、フェアリーSで2人気のシャインガーネットは父オルフェーヴルで、こちらも初年度産駒からラッキーライラックやエポカドーロなどクラシックで活躍した馬が出ています。でも、過去3年の芝1600m以上の重賞を見ると、ディープインパクト産駒が25勝で1位、2位はロードカナロア産駒で9勝でした。圧倒的にディープインパクト産駒が強いのが3歳重賞です。この流れは、現1歳まで続くかもしれないですね。ディープインパクト産駒いなくなったあとは群雄割拠になる可能性が大きいと思います。
集計期間 2017年1月5日から2019年12月31日
対象 3歳限定重賞(G1、G2、G3) 芝1600m以上
種牡馬別集計と馬主別集計
コメント