追いきりマスターのページが一通り揃いました。週次レポートに、図解と解説書と厩舎辞書と追い切りランキング。作った本人が言うのもなんですが、5つもあると、どれをどう見ればいいのか分かりにくいですよね(^^ゞ
なので今回は、使い方の整理です。
見るのは週次レポート1枚でいい
毎週更新するのは週次レポートだけです(リンクは8月23日号。URLは毎週変わります)。残りの4ページは、読んでいて引っかかったときに開くものだと思ってください。
レポートには、その週末の重賞・オープン・条件特別が並んでいて、レースごとに「いつもと違う調教をした馬」だけが出てきます。1頭も出ない日もあります。
まず1行を読んでみる
たとえば8月23日、札幌のワールドオールスタージョッキーズ第3戦にこういう行がありました。
13番 マーシヴィガラス(12人気)
バッジ:`BEST更新` `時計良化`
根拠:坂路52.6秒(8月12日水・1b)=180日ベスト54.1秒を更新、時計良化3.3秒(180日平均55.9秒→52.6秒、閾値坂路1.5秒)
読み方はこうです。
この馬は8月12日の水曜に坂路で52.6秒を出しました。過去180日でいちばん速かったのが54.1秒なので、自己ベストを1.5秒更新しています。しかも普段の平均が55.9秒なので、いつもより3.3秒速い。
大事なのは、52.6秒という数字が世間的に速いかどうかを、このアプリは一切見ていないことです。見ているのは「その馬の普段と比べてどうか」だけ。だから極端な話、遅い馬でも自分比で変われば出てきます。
この馬は12番人気で1着でした。単勝86.5倍です。
……と書くと魔法の道具みたいですが、そんなことはないので、後半で正直な数字を出します。
詰まったら、この4つ
追いきりマスターとは(図解)
仕組みを1枚にまとめた図です。データを取り込んで、その馬の普段と比べて、リストにして、レース後に答え合わせをする、という流れが横一本で見られます。
最初に開くならここかなと思います。文章を読む前に全体の形が分かるので。クリックすると全画面になって、実寸表示にすれば細かい文字まで読めます。
解説書
判定の中身を全部書いたページです。
「180日ってどこから数えてるの」「追い切りと普通のキャンターはどこで線を引いてるの」みたいな、レポートを見ていて浮かぶ細かい疑問はだいたいここに答えがあります。夏の滞在馬や2歳馬など、誤検知しやすいパターンもまとめてあるので、リストを鵜呑みにしないための注意書きとしても使えます。
厩舎の調教パターン辞書
「この厩舎、なんでこんな追い方なんだ」と思ったときに開くページです。現役185厩舎ぶんのカードが入っていて、厩舎名をクリックすると、坂路とウッドどちらが主戦か、どの曜日に追うか、状態別(連闘・通常・休み明け・初出走)の成績はどうか、が出ます。
これは追いきりマスターより先に、別の理由で作ったものです。「いつもと違う」を判定するには、まず「いつも」を知らないといけない、と気づいたのがきっかけでした。その話は前に書いています。
レポートで気になる馬がいたら、その厩舎を辞書で引く。これがいちばん実用的な使い方だと思っています。
土日追い切りランキング
厩舎が「いつ」追うかを、土日に絞って集計したページです。使いどころとしては、レポートの根拠文に出てくる日付を見て「この日に追うのは普通なの?」と思ったとき。
これまでの集計結果を少し
追い切りは水曜と木曜、そして日曜
2021年7月以降の追い切り約74万本を曜日で割ると、こうなりました。
| 曜日 | 構成比 |
|---|---|
| 水 | 50.3% |
| 日 | 23.0% |
| 木 | 18.1% |
| 金 | 3.4% |
| 土 | 2.6% |
| 月・火 | 2.6% |
水曜が半分。ここは予想どおりでした。意外だったのは日曜が2割超で、木曜より多いこと。逆に土曜はほとんどありません。土日といっても実態はほぼ日曜なんですね。
なのに、土曜に追う厩舎がいる
全体で2.6%しかない土曜に、主戦場を置いている厩舎が少数あります。
| 厩舎 | 土 | 日 | 土曜比率 |
|---|---|---|---|
| 武英智(栗東) | 1,919本 | 187本 | 42.9% |
| 吉岡辰弥(栗東) | 1,888本 | 642本 | 38.8% |
年ごとに割っても2021年から2026年までずっと同じ形なので、たまたまではなく厩舎の習慣です。美浦と栗東で比べても差はほとんどなかったので、トレセンの都合でもありません。
こういう厩舎の馬を見たときに「追い切りが土曜? 直前すぎない?」と減点してしまうと、たぶん間違えます。その厩舎にとっては、それが普通なので。
バッジ別の成績
6月28日から8月23日まで、80レース276頭ぶんの答え合わせです。
| バッジ | n | 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 |
|---|---|---|---|---|
| BEST更新 | 202 | 7.9% | 26.2% | 102.9% |
| BEST+加速 | 131 | 9.2% | 31.3% | 79.7% |
| 時計良化 | 195 | 8.2% | 25.1% | 104.0% |
| 型好転 | 15 | 20.0% | 60.0% | 100.7% |
| 手前◎ | 13 | 0.0% | 23.1% | 0.0% |
| 手前△ | 15 | 0.0% | 6.7% | 0.0% |
複勝率でいちばん高いのは`BEST+加速`の31.3%。自己ベストを更新したうえで、最後の1ハロンがいちばん速い、というやつです。余力を残して速い時計が出た形なので、ここが上に来るのは感覚と合っています。
`型好転`が複勝60%と派手ですが、これは15頭しかないので何とも言えません。逆に`手前◎`と`手前△`はどちらも1着ゼロで、これは以前から予測に使えていないと分かっているので、参考情報の扱いのままです。
で、全体としては効いているのか
注目馬276頭と、同じレースに出た非注目馬758頭を比べるとこうなります。
| 勝率 | 複勝率 | 単勝回収率 | |
|---|---|---|---|
| 注目馬 | 9.1% | 26.1% | 116.1% |
| 非注目馬 | 7.3% | 22.2% | 61.8% |
回収率116%。全部上回っています。
ただ、正直に書いておくと、この116%は先ほどのマーシヴィガラス86.5倍と、7月26日の厚岸特別で勝ったデルマジュテーム37.8倍の2頭で作られています。この2頭を抜くと71.1%まで落ちます。
統計的にも、複勝率の差+3.9ポイントはまだ誤差の範囲を出ていません。ちゃんと判定するには注目馬が1,240頭くらい必要で、今276頭。あと8ヶ月ぶんくらいの答え合わせが要ります。
なので今の段階では、「傾向は悪くないけれど、まだ何とも言えない」が正確なところです。予想の主役にするより、気になった馬の後押しか、逆に「調教では何も起きていないな」という確認に使うくらいがちょうどいいと思っています。
使い方をまとめると
週次レポートを開いて、注目馬が出ていたら根拠の1行を読む。日付と時計とバッジで、その馬に何が起きたかが分かります。そこで厩舎が気になったら辞書を引いて、追い切り日が気になったらランキングを見る。判定の細かい定義が知りたくなったら解説書へ。
それだけです。あとは毎週の答え合わせを積み上げて、来年の春に「効いていた」か「効いていなかった」かを見ることになります。
競馬予想が当たるかどうかは別として(^^ゞ、自分の見たい基準を自分で作って、毎週その答え合わせが自動で返ってくるのは、やっぱり面白いです。
※調教データはPC内で完結しており、公開しているのは集計結果と解説だけです。掲載内容は調教データの傾向を示すもので、特定のレースの結果を保証するものではありません。
この記事はnoteにも掲載しています:追いきりマスターの歩き方
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