「人気馬が強いのに、穴が消えない理由」阪神JFを支配する“自由加速時間”の構造

2025.12.10

まず、結論レベルの俯瞰からお伝えします。

このレースは「前走G3（特にアルテミスS・ファンタジーS・札幌2歳S）で上がり上位の中団差し」が王道パターン。
ただし決め手は“既に高い補9”ではなく「本番で補9を一段階引き上げてくる成長曲線」で、前走から本番へ補9が平均+7.6ポイント伸びた馬が勝ち切っている。
枠・脚質・血統は“阪神外1600mらしい差し向き”のイメージほど偏りはなく、「中枠×中団〜やや後ろ×瞬発力寄りサンデー系 or 欧州持続血統のブレンド」が実像に近い。
人気は完全な本命戦ではないが、1〜3番人気が過半数を占める“素直なG1”。穴は「前走G3で上がり最速なのに過小評価されている中穴」タイプに限定される。

ここを押さえたうえで、指定の7項目＋A・Bを順に整理します。
（※分析対象は「阪神ジュベナイルF（名義上1年だけ京都）」過去20年・全出走358頭。本番は1〜3着（60頭）を主対象にしています。着差の代わりに、能力の連続指標である補9／前走補9の差で“実質的な着差・成長度”を評価しています）

1. 前走レース別の傾向（クラス・格を含む）
2. 血統・種牡馬（コース適性／スタミナ・瞬発力）
3. 枠番・馬番の傾向（頭数・コース形状を反映）
4. 脚質傾向（逃げ・先行・差し・追込）
5. 人気別傾向（本命決着か波乱か）
6. PCI（ペースチェンジ指数）の特徴
7. 補9（補正タイム）による成長力・適性コース／距離
A. 軸馬の条件（安定して好走する共通項）
B. 穴馬の条件（本命サイド決着傾向を踏まえたうえで）
- 穴として拾う価値が高いパターン
- 明確に“消し寄り”の穴パターン
総合結論（このレースをどう捉えるか）

1. 前走レース別の傾向（クラス・格を含む）

データの事実

勝ち馬20頭の前走レース
- G3組：11頭
  - アルテミスS：5頭
  - ファンタジーS：3頭
  - 札幌2歳S：2頭
  - 新潟2歳S：1頭
- G2：1頭（デイリー杯2歳S）
- 1勝クラス・500万特別相当：5頭（黄菊賞・かえで賞・からまつ賞・赤松賞など）
- 新馬・未勝利直行：各1頭
1〜3着60頭で見ると
- G3組：27頭（6〜7割弱）
- G2：6頭
- 1勝クラス／500万：複数頭
- 新馬・未勝利：7＋1頭と、そこそこ混在
前走補9（勝ち馬）
- 平均 97.2、中央値 98
- 最低 85、最高 102
  → クラス平均100前後を基準とすると、「飛び抜けた指数」より「95〜101に密集」したゾーンの馬が多い。

解釈

王道は前走G3組
2歳牝馬のG1としてはかなり素直で、G3ローテ（アルテミス・ファンタジー・札幌2歳・新潟2歳）が実質的なトライアルになっている。
ただし「前走時点での絶対値」が抜けている馬が必ず勝つわけではない。
- 前走補9は多くが95〜101の“クラス平均〜やや上”レベル。
- 本番での補9は平均104.8と、前走から約+7.6ポイント（＝0.7秒相当）ジャンプアップしている
  → 2歳戦らしく、「本番でどれだけ成長ジャンプできるか」が勝敗の本質で、前走の“完成度の高さ”だけを追うと見誤る。
新馬・未勝利からの直行でも、前走補9は85〜90台半ばで、本番で一気に+10以上伸ばして勝ち切ったケースがある。
- 「格が足りないから消し」ではなく、「指数の伸びしろ」をどう評価するかが肝。

斬新な視点での結論

**前走レースの“格”は入口でしかなく、出口を決めるのは「前走補9→本番補9の伸びしろの余白」**です。

前走G3組でも
- すでに前走補9がクラス上限近く（101〜102）で、そこからの伸びシロが小さい馬は「完成早」タイプと疑う。
- 前走補9が95〜99で、しかも上がり上位＆余裕残しの内容なら「本番で+7〜10ポイント伸びる余地」があり、むしろこちらが“軸候補”。
1勝クラス・新馬組は
- 補9がやや低くても、「前走PCI高め（後傾）×上がり最速」であれば、“格落ち”ではなく「未だ本気を出していない成長途上」と見た方が合理的。

結論：
前走レース名よりも「前走補9が95〜101にいるか」「本番で+7〜10伸びそうな内容か」を軸の判定条件に置くべきで、
“格の高いレースで高指数→そのまま本番も高評価”という人間の直感は敢えて疑った方が良い。

2. 血統・種牡馬（コース適性／スタミナ・瞬発力）

データの事実

勝ち馬の父系タイプ（20頭）
- サンデーサイレンス系：5頭
- ディープインパクト系：3頭
- ステイゴールド系：2頭
- Kingmambo系：2頭
- Roberto系：2頭
- その他（Danzig系、Vice Regent系、Grey Sovereign系など）も各1頭ずつ
種牡馬別では
- ダイワメジャー・ディープインパクトが各3頭
- それ以外はハービンジャー、ドゥラメンテ、エピファネイア、ステイゴールド、Frankel、クロフネなど、バラけている。
母父タイプ名
- サンデー系：3頭
- Danzig系、Nijinsky系、Grey Sovereign系、Sadler’s Wells系など、欧州スタミナ・芝マイル〜中距離血統がかなり混ざる。

解釈

「阪神外1600×2歳牝馬＝ディープ or ダイワメジャー一強」という先入観ほど、父系は偏っていない。
- サンデー系の瞬発力は重要だが、
  欧州由来のDanzig系／Sadler’s Wells系／Roberto系などの“底力・持続力”が母系に入っているケースが多い。
コース特性（阪神外芝1600m）
- 3〜4角が長く、直線も長い上り坂で、瞬発力と持続力の両方を要求するコース
- 勝ち馬の血統は「瞬発だけ」「底力だけ」ではなく、
  父＝瞬発寄り（サンデー／ディープ／ダイワメジャーなど）、母父＝欧州スタミナやマイラー系の持続、という“ハイブリッド型”が多い。

斬新な視点での結論

阪神JFの血統は「瞬発力血統 vs スタミナ血統」ではなく、「瞬発×持続の“掛け算”がどれだけ綺麗に決まっているか」のレース。

父も母父も瞬発型（ディープ×サンデー系など）の「瞬発力二乗タイプ」は、本番PCIが後傾になり切らない年には意外と取りこぼしやすい。
むしろ
- 父：マイル〜中距離の瞬発型（ディープ系・ダイワメジャーなど）
- 母父：欧州スタミナ／芝マイルの持続力（Danzig・Nijinsky・Sadler’s Wells・Roberto系等）
  のような**“瞬発＋持続のミックス”が、阪神外回りの長い直線と坂で最後に差し切るパターン**になっている。

結論：
血統で軸を決めるなら「サンデー or それに準ずる瞬発型×欧州持続」という“構造適性”を満たすかどうかを優先し、
人気だから・有名種牡馬だから、という一次元の発想は切り捨てた方が精度が上がる。

3. 枠番・馬番の傾向（頭数・コース形状を反映）

データの事実

枠番別（勝ち馬20頭）
- 1枠〜2枠：5頭
- 3枠〜6枠：9頭
- 7枠〜8枠：6頭
1〜3着60頭では
- 内（1〜2枠）：14頭
- 中（3〜6枠）：32頭
- 外（7〜8枠）：14頭

→ 中枠（3〜6）がやや多いが、内外で決定的な差はない。

解釈

一般的なイメージは「阪神外1600＝外差し有利」だが、
過去20年の“実際に馬券になった頭数”ベースで見ると、
- 内枠でも中団〜後方の差しなら普通に届いている。
- 外枠だからといって、過剰に有利というほどの偏りもない。
これは
- 多頭数でも2歳牝馬戦らしく前半が緩みやすく、中盤〜直線で外から捲るほどの必要がない年が多い
- 内でロスなく運んだ中団差しが、直線で進路さえ確保できれば十分に伸びている
  という“ペース設計”の影響が大きいと考えられる。

斬新な視点での結論

枠そのものより、「その枠でどんな位置取りになるか」と「直線で自由加速できるか」の方が重要。

外枠を引いた差し馬が人気になる年は、
実際には「外を回されてロスを抱えた分だけ、PCIが下がり自由加速時間が削られている」ケースもある。
一方で、内〜中枠で
- スタート難がなく
- 3〜4角で中団の外目〜真ん中レーンを確保し
- 直線入り口でスムーズに外へ出せる
  という“位置取りセンス”の馬は、枠番の見た目以上に自由加速時間が長くなる。

結論：
阪神JFにおいて枠番は「外だから◎」「内だから消し」という一次元の評価ではなく、
“その馬の脚質×操縦性を前提に、どの枠なら最も自由加速時間を長くとれそうか”という視点で立体的に評価すべき。

4. 脚質傾向（逃げ・先行・差し・追込）

データの事実

全出走358頭の脚質
- 中団：148頭
- 後方：111頭
- 先行：79頭
- 逃げ：20頭
勝ち馬20頭
- 中団：14頭
- 先行：3頭
- 後方：2頭
- 逃げ：1頭
1〜3着60頭
- 中団：39頭
- 先行：10頭
- 後方：9頭
- 逃げ：2頭
脚質別PCI（全頭）
- 中団：平均PCI 約48
- 先行：同約43
- 後方：同約50.6
- 逃げ：同約40.7
  → 勝ち馬の中団は平均PCI約53.5と高く、“直線でしっかり脚を使っている差し”が多数。

解釈

逃げ切りは20年で1頭のみ。
先行も含めると“前目”での勝利は4頭止まりで、阪神外1600らしい差し優勢の構図。
ただし「最後方一気」タイプもそこまで多くない。
- 後方脚質の勝利は2頭のみ。
- 実際には「中団〜やや後ろから、PCI50〜55でラストで加速する馬」が主役。

斬新な視点での結論

阪神JFの勝ちパターンは「差し」ではなく、「中団からの自由加速型」。

極端な追込は
- 2歳牝馬戦らしくペースが読みにくい
- 直線での進路依存が大きい
  ため、PCIが高くても3着までの信頼度はそこまで高くない。
逃げ・先行は
- そもそもPCIが前傾側に寄りやすく
- 最後の坂で減速しているケースがほとんど
  → 「逃げて上がりも速い＝能力が違う」という2歳戦特有の例外パターンのみを拾うべきで、
  単に“スムーズに先行できそうだから”という理由では3着以内の期待値は低い。

結論：
脚質評価は「差し／追込かどうか」ではなく、
“中団で脚を溜めて、PCI50〜55ゾーンで自由加速できるか”という時間工学的な視点で見るのが、このレースの本質に近い。

5. 人気別傾向（本命決着か波乱か）

データの事実

勝ち馬20頭の人気
- 1番人気：7頭
- 2番人気：2頭
- 3番人気：3頭
- 4〜5番人気：7頭
- 8番人気：1頭
  → 20頭中19頭が6番人気以内。
1〜3着60頭の人気分布
- 1〜3番人気：28頭
- 4〜6番人気：18頭
- 7番人気以下：14頭（10〜15番人気も含む）

解釈

「勝ち馬」という意味では、かなり本命サイド寄りのG1。
- 単勝1〜3番人気が過半数の7割弱を占める。
一方で、3着内全体で見ると
- 7番人気以下も14頭おり、馬券圏内にはそこそこの穴が入ってくるレースでもある。
- これら穴馬は、前走G3や1勝クラスで「上がり最速 or 上がり2位」を出しているが、人気が過小評価されていたタイプが多い。

斬新な視点での結論

阪神JFは「勝ち馬は本命サイド、相手にだけ穴が滑り込むレース」。

軸を7番人気以下から入れるのは、過去20年の分布からはかなり逆張り寄り。
ただし
- 「前走G3 or 1勝クラス」
- 「前走の上がりが1〜2位」
- 「前走補9が95〜100程度で“伸びしろ”が残っている」
  という中穴〜人気薄は、2〜3着候補としては十分に拾う価値がある。

結論：
このレースは“頭は本命ゾーン（1〜5番人気）から選びつつ、
相手にだけ構造適性のある中穴を厚めに買う”というスタンスが、データ的には最も合理的。

6. PCI（ペースチェンジ指数）の特徴

データの事実

勝ち馬のPCI
- 平均：52.3
- 分布：
  - 強後傾(55〜)：8頭
  - 後傾(50〜54.9)：7頭
  - 中庸(45〜49.9)：1頭
  - 前傾(〜44.9)：4頭
全出走馬358頭では
- 前傾(〜44.9)：135頭と最も多い
- 強後傾(55〜)：59頭と少数派

→「全体のPCI分布」と「勝ち馬のPCI分布」の間に、大きなギャップがある。

解釈

PCIは「その馬の能力」ではなく「その馬が走らされたレース構造」を示す指標であり、
本来は上がり順位・上がりタイムとセットで読むべきもの。
勝ち馬の多くは
- 自身のPCIが50以上（後傾〜強後傾）
- かつ上がりが上位
  という「後半でしっかり加速し続けたレース経験」を持っている。
一方、本番で前傾PCI（〜44.9）で勝った4頭は
- レース自体がかなり前傾になった特殊ケース
- その中で唯一バテずに残せた“例外的な持続力 or 先行力”を持っていた
  という「構造自体が例年と違う年」に集中している。

斬新な視点での結論

阪神JFでは、「過去に経験したPCIレンジ」が“その馬の自由加速時間の上限”を示している。

本番の想定構造が「後半勝負（PCI50〜55）」なら、
- 前走までにPCI50以上のレースで上がり上位を経験している馬が本命ゾーン。
- PCI45以下しか経験していない馬は、直線で自由加速できる“時間の器”が育っていないとみなして評価を下げる。
逆に、今年のメンバー構成・逃げ馬の質から「今年は前傾になるかも」と読むなら、
- PCI45未満のタフな流れで上位に来たことのある馬を“例外パターン”として拾う価値が出てくる。

結論：
PCIは単体での優劣ではなく、“本番で想定するPCIレンジと相性がいい経験値を持っているか”という“構造適性フィルター”として使うべき。

7. 補9（補正タイム）による成長力・適性コース／距離

データの事実

本番の補9
- 勝ち馬：平均104.8（101〜109）
- 1〜3着：平均103.1（96〜109）
- 全出走馬：平均92.8
前走 → 本番の補9変化（勝ち馬）
- 平均：+7.6
- 最小：+2
- 最大：+17
- 75％が+5〜+10レンジ
補9の意味
- 異なる距離・クラスをまたいで、能力を100を基準に指数化した絶対値
- 1ポイント ≒ 0.1秒に相当し、G1の「勝ち切り帯」は概ねクラス平均＋数ポイントに位置する。

解釈

阪神JFの勝ち馬は、「本番で初めてG1クラスの勝ち切り帯」に踏み込んでいる。
- 2歳重賞・1勝クラスの前走補9から、本番で+7〜10ポイント伸びるのが標準パターン。
- 逆に言えば、前走時点でG1水準の補9に達している馬はほとんどおらず、“未完成の状態”からのジャンプアップで勝利をもぎ取っている。
補9が示しているのは
- 「同世代内での現時点の立ち位置」
- 「コース・距離変更をまたいでも通用するかの目安」であり、
- 特に2歳戦では“成長の勾配”こそが本質である。

斬新な視点での結論

阪神JFで見るべき補9は、「絶対値」ではなく「前走からのジャンプ余地」と「本番で到達可能な上限」の2点。

軸候補は
- 前走補9：95〜100
- 本番想定補9：102〜106（＝クラス平均+α）に乗せられそうな馬
  と定義し、「すでに前走で101〜102を叩き出している完成早」に過剰な期待をしない方が良い。
穴候補は
- 前走補9：92〜96程度
- ただしPCI後傾＆上がり最速で、「単にまだ指数が出切っていないだけ」のケース。

結論：
補9は“今の強さ”ではなく、“阪神JFの日にどこまで数値を伸ばせるか”という成長期待値で見るべき指標。
絶対値だけで順位をつける使い方は、このレースではむしろ精度を落とす。

A. 軸馬の条件（安定して好走する共通項）

これまでの7項目を統合すると、阪神JFの「軸馬条件」は次のように整理できます。

1）ローテ・前走内容

前走はG3（アルテミス・ファンタジー・札幌2歳・新潟2歳）or 質の高い1勝クラス
前走補9は95〜101程度で、「すでに頭打ち」ではなく「もう一段階伸びる余白」がある。
前走PCI50以上かつ上がり1〜2位
→ 後傾戦で自由加速できる“器”を既に経験している。

2）現時点の能力帯（補9）

本番での補9が概ね102〜106帯に乗る可能性が高い馬。
- 直近走で“右肩上がり”の補9推移を見せている
- 前走から+5〜10ポイント上乗せが現実的な成長曲線になっている

3）脚質・位置取り

脚質は「中団〜やや後方差し」が基本形。
枠は内〜中枠でも良いが、
- 3〜4角で外目に出しやすく
- 直線で渋滞に巻き込まれにくい操縦性
  → 「その枠で自由加速時間を最大化できるか」で評価する。

4）血統構造

父：サンデー系・ディープ系・ダイワメジャーなど瞬発寄り
母父：欧州スタミナ／マイラー系（Danzig・Nijinsky・Sadler’s Wells・Roberto系等）
→ 瞬発＋持続のハイブリッド型。

5）人気との整合性

1〜5番人気ゾーンに収まるが、
- 人気＞能力（補9）＞構造適性（PCIレンジ）の順で整合性をチェック。
- 人気だけ先行していて補9や構造適性が伴っていない本命馬は、軸ではなく“相手”評価に落とす。

B. 穴馬の条件（本命サイド決着傾向を踏まえたうえで）

勝ち馬は本命ゾーンが中心なので、「頭を獲る穴馬」のイメージは薄いレースです。
したがってここでの穴馬は「2〜3着に滑り込む中穴・大穴」の条件として整理します。

穴として拾う価値が高いパターン

前走G3 or 質の高い1勝クラス組の“人気薄”
- 前走で上がり1〜2位
- 前走補9が95前後とまだ“未完成”
- 本番で+8〜10ポイント伸びても不思議ではない成長曲線
血統が“瞬発＋持続のミックス”なのに、地味なローテで軽視されている馬
- 例えばローカルの1勝クラス勝ちで目立たないが、
  - PCI後傾＋上がり最速
  - 血統が阪神外回り向き
    → 前走のステージが低いだけで、中身はトライアル組と遜色ないタイプ。
極端なハイペース・前傾戦が見込まれる年の「タフな前傾PCI経験持ち」
- メンバー構成から今年は前傾と読める年に限り、
- PCI45未満のタフなラップで上位に来たことがある差し・追込馬が中穴として浮上。

明確に“消し寄り”の穴パターン

新馬・未勝利からの直行で
- 補9が90前後で頭打ち気味
- PCIが前傾寄り（〜45）
  → 本番で一気にG1水準まで指数を伸ばす再現性は低い。
先行〜逃げしかしたことがなく、PCIも低いままの人気薄
→ 「展開の助けがないと残れない」タイプで、阪神JFという舞台では3着内期待値が極めて薄い。

総合結論（このレースをどう捉えるか）

構造としては“素直なG1”だが、中身は「成長曲線勝負」の2歳戦。
- 勝ち馬はほぼ1〜5番人気から出るが、その裏側では
  「前走補9→本番補9のジャンプ量」「PCIレンジの適合」「血統構造」が綺麗に揃った馬が選ばれている。
前走の“格”や“着順”ではなく、「補9の帯域＋伸びしろ」「PCI経験レンジ＋上がり性能」で軸を決めるべきレース。
- 前走G3勝ちの完成型より、前走G3２着・３着で上がり最速＋補995〜100の馬の方が、本番の伸びしろが大きいケースが多い。
枠・脚質・血統は、「自由加速時間を最大化できるか」という1本の軸で統合して考えるとブレにくい。
- 中団〜やや後ろから、後傾PCIレンジで自由に脚を使える馬が、
  阪神外1600mという舞台と最も相性が良い。
穴は“頭ではなく相手”の発想で、「トライアルで上がり最速なのに過小評価されている中穴」を丁寧に拾うレース。
- 強い本命＋構造適性のある中穴という組み合わせが、過去20年の実像に近い。