以下は、「過去20年(2006〜2025)の京都記念」データを、着順ではなく“着差”を優先して読み替えつつ、補9=能力階層(絶対値)/PCI=構造(自由加速時間)として混同しない前提で組み立てた分析です。
まず総論(このレースの“非直感的”な核心)
京都記念は「人気・前走着順」よりも、
- 当日補9で“勝ち馬帯”に到達しているか(=階層)
- PCIが一定以上で“自由加速時間”を確保できる構造か(=型)
の2点が、勝ち切り/取りこぼしを分けています。
さらに非直感的なのは、勝ち馬の多くが“前走で負けている(時に大敗)”こと。
ただしそれは「状態が悪い」ではなく、前走の型(構造)で自由加速時間が削られていただけで、京都記念の構造で“再点火”しているケースが目立ちます(=構造回帰型のジャンプ)。
1. 前走レース別(クラス/格も含めて)
データの事実
勝ち馬の前走はG1が中心(勝ち切りは“格”寄りに偏る)。
一方で連対〜3着はG2/G3からも厚く出る(勝ち切りほど格に偏らない)。
さらに重要なのは、前走の着順より「前走が京都記念と“同じ種類の負荷”を持つか」で結果が変わること。
解釈
京都記念は「能力がある馬が、構造的に勝てる形(自由加速時間が残る形)を引けたか」を問う。そのため、G1で消耗しきった負けでも、京都記念で自由加速時間が回復すれば勝ち切れる。
斬新な結論
前走G1“惨敗”は、むしろ穴の母集団になりやすい。
ただし条件付きで、次項の補9勝ち馬帯到達とPCIが勝ちレンジに乗ること。この2点が揃うと「前走惨敗=状態不安」という直感が反転します。
2. 血統・種牡馬(コース適性/スタミナ・瞬発力)
データの事実
勝ち馬は、父タイプで見ると サンデー〜ディープ系の“加速性能”が軸になりやすい。
ただし単純な瞬発だけではなく、母父側に Roberto・Nijinsky・Sadler’s Wells等の“底(持久・坂耐性)”を抱える配合も上位に出ている。
解釈
京都記念で求められているのは「究極の瞬発」ではなく、坂・コーナーで一度脚を使っても、もう一回“伸び直せる”再加速。つまり “瞬発×底力”の二層構造になっている。
斬新な結論
このレースの血統適性は「瞬発 or スタミナ」ではなく、“瞬発を発動できるだけの底(坂耐性・減速耐性)”があるかで決まる。
→ 父が加速型でも、母父が軽すぎると「PCIは出ても最後の抵抗で止まる」側に寄りやすい。
3. 枠番・馬番(頭数・形状を反映)
データの事実
勝ち馬は内〜外に散るが、体感より外が死んでいない(外枠勝ちも普通に出る)。さらに、勝ち馬の多くが着差が小さい(僅差決着が多い)。
解釈
「外=距離ロスで即死」という固定観念は、このレースでは危険。僅差決着が多い=不利を受けた馬がそのまま沈むより、“進路自由度”で最後に詰めるレースになりやすい。
斬新な結論
枠は固定ペナルティ禁止。(あなたの反省メモと一致)
代わりに、枠は “自由加速時間の確保”に効く変数として扱うべきで、外枠が不利になるのは「先行で外を回され続ける」など自由加速が削られる条件の時だけ。外枠が有利になるのは「包まれず、早めに進路確保できる」など自由加速が伸びる条件の時。
4. 脚質(逃げ・先行・差し・追込)
データの事実
勝ち馬は先行が中心。追込は“勝ち切り”が少ない。ただし上位(2〜3着)には中団差しも入る。
解釈
重要なのは脚質そのものではなく、“先行できるのにPCIが高い馬”が勝つこと。つまり 前で運んで、直線で自由加速できる(=先行×高PCI) が強い。
斬新な結論
京都記念の勝ち筋は「差し届く」ではなく、“前にいながら、後ろと同じ種類の加速を出せる馬”。
これができる馬は、実質「先行の皮を被った差し馬」で、最も取りこぼしにくい。
5. 人気別(本命決着か、波乱か)
データの事実
勝ち馬は 1人気と4〜6人気が同程度に出る。超人気薄の一撃は多くないが、“中穴の勝ち切り”が目立つ。
解釈
1人気は能力(補9)は満たしていても、型ズレ(PCI/位置取り)で取りこぼす。
4〜6人気は「能力はあるが前走の見た目が悪い」=市場が発動確率を下げた馬が混ざる。
斬新な結論
京都記念の“買い時”は、「能力帯は満たすのに、人気が上がり切らない馬」。
オッズは能力ではなく当日の発動確率というルールに沿うと、ここが最も歪みやすいゾーンです。
6. PCI(ペースチェンジ指数):分布と勝ち馬傾向
データの事実
勝ち馬のPCIは、極端に低い帯がほぼいない。
上位は概ね「中〜高PCI」に集まり、低PCIの勝ち切りは出にくい。
解釈
これは「京都記念は“消耗戦で根性比べ”」ではなく、最後に加速できる構造(自由加速時間が残る)で決まりやすいことを示す。
斬新な結論
PCIは“能力”ではなく、勝ち筋の型(自由加速時間)そのもの。
よって京都記念は、「強い馬」ではなく“強さを発動できる構造にいる馬”が勝つレースになりやすい。
7. 補9(補正タイム):成長力/適性距離・コース
データの事実
勝ち馬の補9は非常に狭い帯に集中しており、ここを外すと勝ち切りが激減。
2〜3着は勝ち馬より少し下の帯まで広がるが、それでも一定水準未満は苦しい。
(補9の“絶対値”としての意味は資料通り)
解釈
京都記念は「紛れの大きいレース」ではなく、能力階層(補9)で上澄みを切った上で、構造(PCI)で勝ち切りを決めるレース。
斬新な結論
補9は“門番”で、PCIは“勝ち方”。
補9が足りない穴は、基本的に“勝つ穴”ではなく“3着穴”。
例外として、前走補9から当日補9へ“ジャンプ”する馬がいて、ここが穴の本命になる(=ジャンプ候補の出現条件)。
8. 馬主・生産者・騎手(重賞で好走する意味)
データの事実
勝ち馬の生産はノーザンファームが中心。
騎手は特定のトップ層が勝ち切りに強い(上位に繰り返し出る)。
解釈
これは「ブランドだから」ではなく、能力帯(補9勝ち馬帯)に乗せる育成・ローテ・仕上げと、当日の進路最適化(自由加速時間の最大化)が噛み合った時に勝ち切る、という構造。
斬新な結論
京都記念は“騎手が自由加速時間を延命できるレース”。
「トップジョッキー補正」が効きやすい側で、“内で詰まる/仕掛けが遅れる”の1回がそのまま着差に直結しやすい(僅差決着が多い)=上位騎手が強い理由になります。
A/B/C:条件定義(勝ち切り/安定好走/穴)
以下は「条件」を固定ルールとして使える形に落とし込みます。
A. 勝ち馬の条件(勝つ能力がある馬)
- 補9が“勝ち馬帯”に到達(まずここが必須の門番)
- PCIが低すぎない(自由加速時間が残る構造にいる)
- 脚質は「先行〜中団」だが、本質は “前で高PCIを出せる”=先行の自由加速
- 前走はG1中心。ただし前走着順は問わない(型ズレ敗戦を許容)
- 僅差決着になりやすいので、進路最適化できる騎手(トップ層)が勝ち切りを押し上げる
B. 2〜3番手の条件(安定して好走する共通項)
- 補9が勝ち馬帯に“届かないまでも近い”階層(=連対〜3着帯)
- PCIは勝ち馬ほど尖らなくてもよいが、極端に低い型は避ける
- 前走格はG2/G3でも成立しやすい(勝ち切りほど格が要らない)
- 着差が小さくても詰め切れない(=勝ち馬帯に1枚足りない/騎手・位置取り差)を許容するのが“2〜3番手”
C. 穴馬の条件(距離・コース・血統適性から浮上)
- 人気は中穴〜やや穴だが、補9が連対帯にいる(“能力不足の穴”は基本消す)
- 前走補9→当日補9へジャンプしてくる(=条件回帰・型回帰で能力が表面化)
- 血統は「瞬発の父」×「底の母父」(再加速に寄与)
- 斤量そのものより、斤量が軽いことで“先行の自由加速”を作れる形(斤量はトリガー扱い)
- 騎手が上位層、または“進路を作れるタイプ”である(僅差決着の1手が効く)
総合結論(重要度ランク付き)
S(最重要)
- 補9で階層を切る(勝ち馬帯/連対帯/3着帯):ここを外すと分析が崩れる
- PCIで型を合わせる(自由加速時間の有無):能力があっても型ズレで取りこぼす
A(重要)
- 先行×高PCI(先行の自由加速)が勝ち筋の中心
- 枠の固定ペナルティ禁止:枠は“自由加速時間”に効く時だけ評価する
B(補助だが効く)
- 血統は二項対立ではなく「瞬発×底」
- 騎手の進路最適化が僅差で効く(人気の歪み=中穴の勝ち切りを生む)
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