松島正昭オーナーの『武豊愛』は有名ですが、今年の凱旋門賞にはドウデュースが行けないので、その代わりにベルリン大賞を勝ったアルリファーを半持ちして鞍上に武豊を向かせての挑戦になりました。その経緯がデイリーに出ていたので、全文を掲載しました。
松島オーナーは日本、欧州で競走馬を所有していて毎年凱旋門賞に武豊が騎乗できるように準備しているようですね。今年はドウデュースが行けないということで武豊×凱旋門賞は無理かと思ったけど、人脈があるのでしょうねそれを可能にしてしまいました。
松島オーナーが馬主になり、武豊愛を公言されたことなどは何度も記事になっているので、こういうことがあっても驚きはしませんが、続けていることが凄いです。私も30年以上競馬を見てきましたが、松島オーナーのような馬主はいませんでした。いろいろな愛があっていいと思うので、夢が叶うと良いですね。
「凱旋門賞・仏G1」(10月6日、パリロンシャン)
さあ、凱旋門賞ウイークに突入だ。ドウデュース(牡5歳、栗東・友道)の出走見送りで一度は途絶えた『夢物語』。しかし、(株)キーファーズ代表・松島正昭オーナー(66)の諦めない気持ちが、“愛G1馬アルリファー×武豊”という新しい形で夢を紡いだ。常々「武豊が凱旋門賞を勝つところが見たい!」と話すオーナーの熱い想いに迫った。
◇ ◇
-オーナーにとって凱旋門賞とは。
「みんな勘違いしてる。“松島オーナーは武豊を乗せて凱旋門賞を勝ちたい”って。全然違う。武ちゃんが凱旋門賞を勝ちたい。“ディープの時、絶対に勝つと言われて負けたことがめっちゃ悔しい、夢に出る”って、ずっと聞いていたから。俺は武豊が凱旋門を勝つところを見たい。武ちゃん、たぶん泣くから。競馬の歴史をつくった人が一番の夢を勝って、どんな顔をするのか見たい。そんな想いで挑戦してる」
-7月にドウデュースの凱旋門賞見送りを表明した。
「武ちゃんに代わりになる馬を用意したらなアカン、なんとかするって思った」
-愛G1馬アルリファーを共同所有し、挑戦することになった。
「去年のギヨームドルナノ賞(仏G2)でエースインパクト(23年仏ダービー&凱旋門賞制覇)の2着。その時にシンジケートが組まれて20%を所有していた。急に購入したみたいに思われているけど、違う」
-それが50%に。
「セレクトセールで関係者が“アルリファーは強いから半分持て”と。ジョセフ(J・オブライエン調教師)に電話したら、“1戦叩いて凱旋門賞に行く”と言う。“半分持つから、ジョッキーは当然ユタカ・タケでいいか?”って。向こうで持っている馬を何頭かトレードして、そのお金を回してくれって。話がまとまったのはベルリン大賞の1週前。クールモアと折半している馬は今で8頭ほど。50%じゃないと自分の勝負服にならないし、契約に『武豊に優先権利がある』という一筆が入ってる。武ちゃん、喜んでた。長年培った経験とクールモアとの関係。お安いご用や」
-世界最大の馬主・クールモアと親密。
「ジョッキーについては、エイダン(A・オブライエン調教師)やクールモアが認めないとアカン。でも、エイダンは武豊を認めてる。エイダンに“武豊がアーク(凱旋門賞)を勝つのが、マイドリーム”って言ってるし、マツシマの馬は武豊が乗るって分かっている」
-アルリファーの強さは。
「エースインパクトと本気の勝負をして強いと思った。その後に凱旋門賞に行ってたらいい勝負やった。450キロそこそこ。凱旋門賞は重い馬はあかん。強いと思うし、チャンスがある。(共同所有した)ジャパンやブルームと比べても手応えがある」
-松島オーナーといえば武豊。出会いは。
「ファンやったから1回ご飯を食べたいな、って。01年かな。たまたま知り合いがいて、お願いしてもらった。芸能人でも、そんなこと思ったことがないけど」
-当時の印象は。
「思っていたよりもはるかにいい人で。丁寧やし、びっくりした。本当にすごい人はえらそぶらない。頭がいいやろ?会話が弾む。友達になったら楽しいやろなぁ、って。緊張したけど、ますますファンになって、そこからずっと友達」
-馬主になったきっかけは。
「武ちゃんに馬券で負けてるって話したら、“そんなに負けるなら馬主になったら?馬買えるやん”って言われて。道楽やし、ぜいたくやから眼中になかったけど、ちょっとやってみようか、と。その言葉がなかったら馬主になってない」
-“男の友情”を感じます。
「武ちゃんが引退したら、馬主やめるよ。面白ないやん。オレの信念やから。近代競馬をつくったのは武豊。敬意を表さないと。その背景に“友情”や“とことんいった”がある。絶対にこうや、と思ったら何でも貫かんとあかん。いつか、当たる」
-凱旋門賞、応援しています。
「まず、日本人で凱旋門賞を勝つのは武ちゃんじゃないと。負けても惜しかったなーってなりたいなぁ。凱旋門賞を勝ったら、タイガースやなくて1面にしてや(笑)」
-15年から(株)キーファーズとして馬主に。
「こんなに面白いんや、って。未勝利でも、勝ったらうれしいもんな。ただ、出遅れたらガッカリするやろ?だから、いつも見てられなくて」
-そして、ドウデュースに出会った。
「デビュー前の調教に乗った武ちゃんが“松島さん、これは走りますよ”ってビックリしていた。朝日杯FSも感動した。やっぱり見てられなくて、4コーナーを回って“勝ちますよ”って言われて、ほんまや、って」
-馬主7年目でダービーオーナーに。
「皐月賞の後、武ちゃんと友みっちゃん(友道師)が“絶対に勝てる。任せてください”っ
て言う。武ちゃんなんて“残り300メートルで抜け出してぶっちぎってきます”って。それで勝ったからね。馬主になって、やっと武ちゃんに貢献できたと思った。いい時はみんな寄ってくるけど、いい時ばかりじゃない。ケガをしたりで、しんどい時に貢献できたのはうれしい。貫いて良かった。ホッとしたのとうれしいのと。武ちゃんの頭の中に俺が残る。彼もホッとしたと思う。(お金を)突っ込む俺を心配していたから」
-ドウデュースは凱旋門賞にも挑戦。
「ジャパン(20年)、ブルーム(21年)と合わせて3回行った。門を入った時から華やかやし、桁違い。ドウデュースがパドックから出ていく姿はすごい感動した。これなんやなって」
-凱旋門賞は出走するだけでも難しいが、今年で4度目の挑戦。
「海外の当歳も買っているけど、ある程度走ってから買う方が可能性が高い。向こうの強い馬を買って“武ちゃん専用機”にしていくしかない。アルリファーは特殊。これは運。馬を持っていても、凱旋門賞に出る確率は低いから。それに、セレクトセールに関係者が来てなかったら話もできなかった。また出てくるかも分からないけど、今は、今回が最後のチャンスと思っている」
引用元:デイリースポーツ
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