今回の登録馬21頭を補9の推移で見ると、最も注目したいのはダノンヒストリー、ジャスティンシカゴ、シートゥサミットです。いずれも春の評価を大きく変えてきた馬ですが、補9が上昇した理由は異なります。
一方、能力の基準になるのは二冠馬ロブチェンです。補9が115に達した実績が2回あり、今回の登録馬ではG1で高い補9を繰り返し出している点が際立ちます。ただし、菊花賞でさらに伸ばせるかという観点では、ロブチェンを上回る上昇余地を持つ馬もいます。
今回は、補9の最高値をそのまま能力順に並べるのではなく、どの距離、どのペース、どの位置取りで数値を伸ばしたかを中心に評価しました。
- 補9分析の基礎データ
- 1.ダノンヒストリー|2600mで急上昇した補9は本物か
- 2.ジャスティンシカゴ|補9が94から114へ跳ねた理由
- 3.シートゥサミット|最も評価が難しく、最も面白い上昇馬
- 4.ロブチェン|補9が下がった神戸新聞杯をどう評価するか
- 5.アルトラムス|皐月賞の惨敗を消して考える
- 6.ゴーイントゥスカイ|最高値114を前走110で打ち消さない
- 7.バステール|前走104は評価を下げる理由になるか
- 8.アウダーシア|高いPCIと補9の伸びが一致している
- 9.アスクエジンバラ|ジャンプより安定性を評価
- 10.エムズビギンとコンジェスタス|前走の補9だけでは比較できない2頭
- 11.ラージアンサンブル|骨折明けの前走をどう扱うか
- 12.距離延長組の比較|キンググローリー、ナリタエスペランサ、マジョレルブルー
- 13.補9が伸び悩む馬の評価
- 14.今回の補9ジャンプで、最も注意したい落とし穴
- 15.菊花賞2026 補9ジャンプの最終評価
補9分析の基礎データ
まず、評価に使用する主な実績を示します。
ロブチェンは皐月賞1着で補9が115、日本ダービー1着でも115、神戸新聞杯1着で112です。父はワールドプレミア、母父はGiant’s Causewayです。
ダノンヒストリーは芝2600mの1勝クラスを1着で補9が111、続く阿寒湖特別も芝2600mで1着、補9が114です。父はエピファネイア、母父はTizwayです。
ジャスティンシカゴはプリンシパルS2着で補9が93、芝2000mの1勝クラス1着で94、セントライト記念1着で114です。父はスワーヴリチャード、母父はキングカメハメハです。
シートゥサミットは芝2400mの未勝利戦1着で補9が85、同距離の1勝クラス2着で90、神戸新聞杯3着で111です。父はモーリス、母父はDiscreet Catです。
アルトラムスは皐月賞18着で補9が92、日本ダービー6着で111、神戸新聞杯2着で112です。父はイスラボニータ、母父はスクリーンヒーローです。
アウダーシアはスプリングS1着で補9が103、日本ダービー11着で109、セントライト記念3着で111です。父はキズナ、母父はルーラーシップです。
ゴーイントゥスカイは青葉賞1着で補9が108、日本ダービー4着で114、セントライト記念6着で110です。父はコントレイル、母父はTapitです。
バステールは弥生賞1着で補9が105、日本ダービー3着で114、セントライト記念13着で104です。父はキタサンブラック、母父はAldebaranです。
アスクエジンバラは皐月賞4着で補9が112、日本ダービー10着で110、セントライト記念4着で111です。父はリオンディーズ、母父はマンハッタンカフェです。
エムズビギンは日本ダービー14着で補9が105、神戸新聞杯5着で111です。父はキタサンブラック、母父はGalileoです。
コンジェスタスは京都新聞杯1着で補9が107、日本ダービー9着で111、神戸新聞杯6着で109です。父はコントレイル、母父はAlamosaです。
ラージアンサンブルは皐月賞8着で補9が109、セントライト記念7着でも109です。父はベンバトル、母父はジャスタウェイです。
サノノグレーターは皐月賞9着で補9が107、ラジオNIKKEI賞1着で105、セントライト記念11着で106です。父はグレーターロンドン、母父はジャングルポケットです。
キンググローリーは芝2600mの信夫山特別2着で補9が98、芝2500mの九十九里特別1着で102です。父はダノンプレミアム、母父はDuke of Marmaladeです。
チャリングクロスは町田特別1着で補9が102、日本海S7着で100です。父はキタサンブラック、母父はCape Crossです。
ナリタエスペランサは芝2600mの帆柱山特別1着で補9が102、キタサンブラックメモリアル12着で101です。父はキタサンブラック、母父はInvincible Spiritです。
ショウナンハヤナミは若駒S1着で補9が96、神戸新聞杯10着で103です。父はレイデオロ、母父はディープインパクトです。
ショウナンガルフは札幌2歳S1着で補9が98、日本ダービー17着と直近のポートアイランドS11着で、ともに100です。父はハービンジャー、母父はハーツクライです。
マジョレルブルーは芝2400mの未勝利戦1着で補9が82、同距離の1勝クラス1着で94、能勢特別1着で99です。父はコントレイル、母父はシンボリクリスエスです。
ミッキーファルコンは青葉賞5着で補9が98、芝2600mの積丹特別1着でも98です。父はエピファネイア、母父はディープインパクトです。
イブキは芝2400mの1勝クラス2着で補9が94、同距離の直近の1勝クラス1着で93です。父はレイデオロ、母父はゼンノロブロイです。
ここからは、これらの数値が生まれたレース内容を見ていきます。
1.ダノンヒストリー|2600mで急上昇した補9は本物か
ダノンヒストリーは、今回の補9ジャンプ候補の中でも異質な存在です。
東京スポーツ杯2歳Sでは補9が89でしたが、今年7月の芝2600m戦では111、8月の同距離では114に上昇しています。この変化を成長分だけで説明するのは難しいでしょう。
東京スポーツ杯では後方から運び、直線で伸び切れませんでした。騎乗したレーン騎手も、ゲート内で落ち着かず、後方からの競馬になったことをコメントしています。
それが2600mになると、先行して自分のリズムを保てるようになりました。しかも、直近の阿寒湖特別では後続に1秒3の差をつけています。
ここで評価したいのは着差そのものより、距離が延びたことで、それまで表に出なかった能力が補9に反映され始めた可能性です。
通常、2000m前後のレースで補9が低く、2600mで急上昇した馬には、3000mへの距離延長を肯定的に評価できる余地があります。
ただし、今回の補9が114という数値は、2勝クラスで記録したものです。ロブチェンがG1で出した115と、そのまま同等には扱えません。相手強化によって前半から脚を使わされても、同じ走りを維持できるかが課題です。
補9ジャンプ期待度は最上位。ただし、能力の確実性はまだロブチェンより下という評価です。
2.ジャスティンシカゴ|補9が94から114へ跳ねた理由
この馬の変化は、距離適性だけでは説明できません。
プリンシパルSでは補9が93、続く1勝クラスでは94。それがセントライト記念で114へ一気に上昇しました。
セントライト記念は芝2200mの稍重で、3番手付近から進めて勝利しています。PCIは62.3、レースPCIは60.2でした。
今回のデータでは、原優介騎手がプリンシパルSで乗った際に心肺機能の高さを感じたことが、セントライト記念後のコメントに記録されています。
さらに、1勝クラスを勝った際には逃げており、セントライト記念では先行する形で結果を出しました。逃げなければ能力を発揮できない馬ではありません。
補9が急上昇した背景には、春からの成長に加え、重賞の相手でも自分の位置を取って走れたことがあると考えます。
ただし、2200mの重賞を先行して勝ったことと、3000mで同じ能力を出せることは別です。菊花賞では、序盤に好位を取れる利点と、距離延長によって折り合いが難しくなる危険が同時にあります。
私が注目するのは、補9が114に上昇したレースで、無理な追い込みや極端な展開の助けを必要としなかったことです。
菊花賞でも好位で落ち着いて走れれば、もう一段の上積みがあっても不思議ではありません。
3.シートゥサミット|最も評価が難しく、最も面白い上昇馬
シートゥサミットの補9推移は、一般的な成長曲線とはかなり違います。
今年1月の未勝利戦では補9が47。その後、芝2400mでマクる競馬を覚え、補9が80、85、90と上昇しました。そして神戸新聞杯で111です。
47という数字だけを見れば能力不足に映りますが、当時は芝1800mで17着、勝ち馬から3秒6離されたレースです。今回の能力評価で重く扱う必要はありません。
注目すべき変化は、2400mで途中から動く競馬に切り替えてから、走りが安定したことです。
神戸新聞杯では向正面から前へ進出し、4コーナーでは先頭。11番人気で3着に入りました。酒井学騎手のコメントにも、ペースが遅かったため普段以上に楽にマクれたことが記録されています。
ここには、評価と同時に注意点があります。
神戸新聞杯のレースPCIは62.8です。かなり遅い流れだったからこそ、道中で動けた可能性があります。3000mでも同じように動けるとは限りません。
一方で、早い段階から長い距離を選び、マクる競馬を繰り返し経験している点は、ほかの上昇馬にはない特徴です。
補9の上昇幅だけなら最高クラスですが、その上昇が菊花賞でも続くかは、道中で力まず動けるかにかかっています。
人気が低いままなら、最も検討したい穴馬の一頭です。
4.ロブチェン|補9が下がった神戸新聞杯をどう評価するか
ロブチェンは皐月賞と日本ダービーで、ともに補9が115。神戸新聞杯では112でした。
数字だけを並べると、秋初戦で能力を落としたようにも見えます。
しかし、神戸新聞杯のレースPCIは62.8。ロブチェン自身のPCIは64.2でした。速い流れで能力を限界まで試されたレースではありません。
しかも、神戸新聞杯の松山弘平騎手のコメントには、返し馬で緩さが気になったことが記録されています。
ここから考えられるのは、補9が115から112へ下がった原因が能力低下ではなく、レースの流れや仕上がりの違いだった可能性です。
この馬の強みは、皐月賞では逃げ、日本ダービーでは差し、神戸新聞杯では先行して勝っていることです。異なる位置取りで重賞を勝てるため、展開が変わっても対応する余地があります。
ただし、補9が115を超える新たな能力を示したわけではありません。
今回のロブチェンは補9ジャンプを狙う馬というより、過去の高い補9を最も再現しやすい馬として評価します。
5.アルトラムス|皐月賞の惨敗を消して考える
アルトラムスの皐月賞は18着、補9が92でした。しかし、これを現在の能力評価の中心に置くと、馬を見誤ります。
続く日本ダービーでは6着ながら補9が111、神戸新聞杯では2着で112です。
神戸新聞杯では後方から脚を伸ばし、ロブチェンと着差なしの2着でした。騎手コメントには、スピードに乗ってからようやく走りがかみ合ったところがゴールだったという趣旨の説明があります。
ダービーでも後方から脚を使っており、2400mで高い補9を続けて記録しています。
この馬は、一瞬の反応だけで勝負するより、徐々に加速していく形の方が合っている可能性があります。そう考えると、3000mへの延長そのものは悪材料ではありません。
ただし、神戸新聞杯は後半の速さが問われたレースであり、3000mで早めに動いて長く脚を使えるかは未確認です。
ロブチェンとの差を補9の能力差と決めつける必要はありません。 神戸新聞杯では1ポイント差にすぎず、道中の位置取りや仕掛ける地点が変われば逆転の可能性があります。
6.ゴーイントゥスカイ|最高値114を前走110で打ち消さない
ゴーイントゥスカイは青葉賞で補9が108、日本ダービーで114、セントライト記念で110でした。
セントライト記念は6着ですが、武豊騎手のコメントではスタートが遅く、馬場とペース、位置取りが厳しかったことが説明されています。
日本ダービーでは後方から追い込み、4着ながら補9が114を記録しました。PCIも66.3と高く、後半に速い脚を使えることが数値に表れています。
気になるのは、菊花賞でもスタートの遅さが改善されない場合です。3000mだから後方からでも届く、という考え方は危険です。
神戸新聞杯組と違い、今回の前走は稍重の2200m。ダービーで高い補9を出した条件とは違っていました。
したがって、前走の110を能力の上限とは考えません。
良馬場で自分のリズムを取れれば、補9が114前後に戻る可能性がある馬です。ただし、上積みよりも最高値の再現を重視した評価になります。
7.バステール|前走104は評価を下げる理由になるか
バステールは日本ダービーで3着、補9が114。セントライト記念は13着で104でした。
両レースの差は10ポイントあります。
セントライト記念後の斉藤崇史調教師のコメントでは、馬場が合わなかったこと、追い切りでも悪い馬場では動きが良くなかったことが説明されています。
これは、低い補9を度外視する理由として具体性があります。
一方、日本ダービーでは途中から動く形で3着に入りました。後方一辺倒ではなく、自ら進出して結果を出した点を評価できます。
ただし、ダービーでの好走には川田将雅騎手の仕掛けるタイミングが大きく関わっていたことも、調教師コメントから読み取れます。
菊花賞では距離延長に加え、再びどこで動くかが問われます。
良馬場への回復で補9を大きく戻す可能性がある反面、騎手の判断と折り合いによって結果が変わりやすい馬です。
補9が104という前走だけを理由に軽視するのは避けたいところです。
8.アウダーシア|高いPCIと補9の伸びが一致している
アウダーシアはスプリングSで補9が103、日本ダービーで109、セントライト記念で111と、重賞を経験するたびに数値を上げています。
ダービーは後方17番手からの競馬になり、レーン騎手はスタートとスローペース、直線での進路について不利な条件が重なったことを説明しています。それでも補9は109でした。
セントライト記念では3着。津村明秀騎手は休み明けの緩さを感じながらも、力を示したと評価しています。
スプリングSの1800mではPCIが56.4、ダービーでは64.2、セントライト記念では64.3でした。
PCIが高くなったから長距離適性があるとは断定できませんが、距離が延びても後半に脚を使えていることは確認できます。
この馬はスプリングSを勝ったことで1800mのイメージが残ります。しかし、補9が高くなったのはむしろ2400m前後のレースです。
菊花賞への距離延長で評価を下げるより、これまでの高いPCIをどの位置取りで生かせるかを考えたい馬です。
9.アスクエジンバラ|ジャンプより安定性を評価
アスクエジンバラは皐月賞で補9が112、日本ダービーで110、セントライト記念で111です。
春から秋まで大きく崩れず、G1でも高い補9を記録しています。
セントライト記念は逃げて4着。岩田康誠騎手は春より成長したこと、最後まで踏ん張るようになったことをコメントしています。
この馬に必要なのは、能力の大幅な上積みというよりも、3000mで無理なく走れるペースをつかむことです。
過去の補9が安定しているため、大きなジャンプを見込む材料は少ないものの、ほかの上昇馬が距離や展開に対応できなかったときには相対的に浮上します。
勝ち切るための新たな材料はほしい一方、2~3着候補としては評価しやすい馬です。
10.エムズビギンとコンジェスタス|前走の補9だけでは比較できない2頭
エムズビギンは神戸新聞杯5着で補9が111です。春の日本ダービーでは105だったため、数字上は前進しています。
ただし、神戸新聞杯後の武豊騎手は、折り合いを重視して運んだものの、最後は苦しくなったとコメントしています。補9が上昇しても、3000mへの距離延長を無条件に歓迎できる内容ではありません。
一方、コンジェスタスは京都新聞杯で107、日本ダービーで111、神戸新聞杯で109です。
京都新聞杯ではレースPCIが44.2という流れの中で勝利しましたが、神戸新聞杯はレースPCIが62.8。かなり異なる流れを経験しています。
速い流れで勝った実績と、スローペースで高い補9を記録した実績の両方がある点は評価できます。ただし、神戸新聞杯では6着で、勝ち馬に対して明確な優位性は示せませんでした。
両馬とも能力はありますが、現時点では補9の大幅なジャンプを積極的に予測する材料が不足しています。
11.ラージアンサンブル|骨折明けの前走をどう扱うか
ラージアンサンブルは皐月賞8着で補9が109、セントライト記念7着でも109です。
数字は横ばいですが、セントライト記念は骨折明けの一戦でした。岩田望来騎手は4コーナーでの反応がもうひとつだったことと、次走での良化への期待をコメントしています。
補9が109から動いていないことを成長が止まった証拠と見るのは早計でしょう。
ただし、休み明けを使った上積みがあるとしても、現状の最高値は109です。菊花賞で上位に入るには、これまで示していない能力が必要になります。
状態面の良化による補9ジャンプ候補ですが、能力の裏付けは上位勢より薄いという位置づけです。
12.距離延長組の比較|キンググローリー、ナリタエスペランサ、マジョレルブルー
キンググローリーは芝2500mで補9が102、芝2600mでは98です。距離が延びて成績を上げてきましたが、補9そのものはまだ上位馬に届いていません。
ただし、九十九里特別では自分でペースを作る競馬を選択しています。序盤から速い脚を使うより、長い距離で早めに動く方が持ち味を出せる馬でしょう。
ナリタエスペランサも芝2600mを勝っていますが、そのときの補9は102。続く芝2200mの3勝クラスでは12着で101でした。距離を短縮して数値が落ちたわけではなく、ほぼ同水準にとどまっています。
マジョレルブルーは芝2400mで補9が94、阪神芝2000mの能勢特別で99です。距離延長が合うという騎手コメントがある一方、直近の最高値は2000mで出しています。
この3頭に共通するのは、長距離への適性を示す材料はあっても、重賞級の高い補9をまだ記録していないことです。
したがって、距離適性を理由に能力差まで埋まると考えるのは危険です。
なかでは、近走の競馬内容からキンググローリーが自分のペースで走れる展開を作れるかに注目します。
13.補9が伸び悩む馬の評価
チャリングクロスは芝2400mの町田特別で補9が102、続く日本海Sで100です。日本海Sではスタートがうまくいかず、道中の動きも鈍かったと戸崎圭太騎手がコメントしています。前走だけを理由に能力を下げる必要はありませんが、最高値102から上位勢との差を埋めるには新たな上積みが求められます。
サノノグレーターは皐月賞107、ラジオNIKKEI賞105、セントライト記念106と、比較的安定しています。ただし、セントライト記念では初距離と緩い馬場、遅い流れが課題だったと騎手が説明しています。3000mへの延長をプラスと判断できる材料は、今のところ十分ではありません。
ミッキーファルコンは青葉賞と積丹特別で、ともに補9が98です。2600mで勝っても数字が伸びなかったことから、長距離適性と補9の上昇を分けて考えたい馬です。
イブキは芝2400mで補9が94、直近の同距離勝利では93です。直近の勝利は評価できますが、能力指標としては横ばいです。
ショウナンハヤナミは若駒Sで96、神戸新聞杯で103。着順は10着でも補9は伸びています。ただし、騎手コメントには4コーナーで苦しくなったことが記録されており、3000mでさらに伸びる根拠としては弱い内容です。
ショウナンガルフは近走の補9が100前後で推移しています。芝1800mでの重賞勝利はあるものの、今回の条件で大きく伸びる兆候は読み取りにくいところです。
これらの馬は、補9の最高値や直近の上昇だけで上位候補に引き上げることはしません。
14.今回の補9ジャンプで、最も注意したい落とし穴
今回の出走登録馬を見て気づくのは、補9の上昇馬が大きく3種類に分かれることです。
まずダノンヒストリーのように、距離を延ばして明確に数値を上げた馬です。このタイプは菊花賞への適性を考えやすい一方、相手関係が強くなったときの能力がまだ分かりません。
次にジャスティンシカゴのように、重賞で一気に数値を上げた馬です。このタイプはクラスの壁を越えたことに価値がありますが、3000mへの対応は改めて確認する必要があります。
そしてシートゥサミットのように、走り方を変えたことで補9が上昇した馬です。このタイプは大きな上積みが期待できる反面、同じ競馬ができないと数値を落とす可能性もあります。
ここで比較したいのが、ロブチェンとアルトラムスです。
ロブチェンはG1で補9が115を繰り返しており、能力の再現性を示しています。アルトラムスもダービーから神戸新聞杯にかけて111、112と高い水準を維持しています。
この2頭と、急上昇してきた3頭の違いは、高い補9をすでに強い相手に出しているか、それとも今から証明しなければならないかです。
補9ジャンプ予想では上昇余地を評価しますが、実際の馬券では能力の確実性も必要です。今回の菊花賞は、その二つを分けて考えた方がよいレースだと思います。
15.菊花賞2026 補9ジャンプの最終評価
現時点で、最も大きな上積みを期待するのはダノンヒストリーです。
芝2600mへの延長で補9が111、114と上昇した内容は、3000mに向けて魅力があります。ただし、G1の相手でも同じ能力を発揮できるかは未知数です。
次にジャスティンシカゴです。補9が94から114へ上昇したセントライト記念は、相手強化に対応して勝ち切った点で評価できます。前へ行けることも強みです。
3番手はシートゥサミットです。2400mでマクる競馬を覚えてからの上昇は顕著です。ただし、神戸新聞杯のスローペースが好走を助けた面は否定できず、評価には幅を持たせます。
アルトラムスは大幅なジャンプというより、すでに示した補9が112をさらに伸ばせるかという観点で評価します。神戸新聞杯でロブチェンに迫った内容から、逆転候補として扱いたい馬です。
バステールとゴーイントゥスカイは、前走の補9が最高値を下回っている組です。ともに前走の低下には説明できる要因があり、良馬場なら高い水準に戻る可能性があります。
アウダーシアは派手な上昇こそありませんが、重賞で103、109、111と着実に数値を伸ばしています。今回の距離延長でどこまで伸びるか、見逃せない存在です。
そしてロブチェンは、補9ジャンプとは別枠で最上位の能力評価です。G1で補9が115を2回記録した実績は、今回の登録馬の中でも強い根拠になります。
現段階での評価を整理すると、補9ジャンプ期待ではダノンヒストリー、ジャスティンシカゴ、シートゥサミット。能力の再現性ではロブチェン、アルトラムス。前走からの巻き返しではバステール、ゴーイントゥスカイという構図です。
これは補9を中心とした評価であり、最終的な馬券の印ではありません。確定枠順、騎手、馬場、各馬の当日の状態によって結論が変わる余地があります。
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