【菊花賞2026】道悪になったら?登録馬21頭の道悪適性ランク

レース展望
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今週の菊花賞、週末の天気予報を見るとどうも雨っぽいんですよね。京都の3000mが渋った馬場になると、良馬場の能力比較だけではちょっと心もとない。そこで登録馬21頭(フルゲートは18頭)の道悪適性を、できるだけいろんな方向から洗ってみました。

見たのは3つです。

  • 本馬がこれまで稍重・重・不良でどう走ったか
  • そのレースのあとの騎手・調教師のコメントや、レースぶりの回顧で馬場について何と言われていたか
  • 血統。父と母の父の産駒が道悪でどうか、それから母の産駒(きょうだい)が道悪でどうだったか

重馬場を走ったことがあるのはロブチェンだけ

最初に正直なところを書いておくと、今年の登録馬で重馬場のレースを経験しているのはロブチェン1頭しかいません。しかもその1回は、昨年11月の京都芝2000mの新馬戦。菊花賞と同じ京都です。

ほかの馬の材料はほとんどが稍重止まりで、中でも大きいのが9月の朝日杯セントライト記念(中山芝2200m・稍重)。ここに7頭が出ていて、明暗がはっきり分かれました。

朝日杯セントライト記念(2026年9月13日・稍重)に出ていた登録馬
馬名 着順 人気 馬場についての評価
ジャスティンシカゴ 1着 12 のめらずに伸びた。道悪も上手
アウダーシア 3着 6 内が有利な馬場を大外から追い込む
アスクエジンバラ 4着 3 先行して残り1ハロンまで先頭
ゴーイントゥスカイ 6着 1 この馬場で後ろからでは厳しかった(武豊騎手)
ラージアンサンブル 7着 8 骨折明けで4角の反応がもうひとつ
サノノグレーター 11着 5 緩い馬場で決め手を生かせず(田辺騎手)
バステール 13着 4 馬場が合わなかった(斉藤崇調教師)

ただ、この日の中山は内が有利な馬場でもありました。外を回って負けた馬は、道悪そのものより位置取りの影響もあるので、そこは差し引いて見ています。

父の道悪成績はけっこう差がある

次に血統。登録馬の父について、2015年以降のJRAの芝で、良馬場と重・不良で3着内率がどう変わるかを出してみました。

父別 芝の3着内率(2015年〜2026年10月・JRA)
父 良 重・不良 重・不良の出走数 登録馬
キタサンブラック 31% 32% 139 エムズビギン、チャリングクロス、ナリタエスペランサ、バステール
キズナ 29% 28% 400 アウダーシア
モーリス 27% 27% 272 シートゥサミット
リオンディーズ 24% 25% 161 アスクエジンバラ
ハービンジャー 24% 23% 612 ショウナンガルフ
イスラボニータ 26% 23% 109 アルトラムス
レイデオロ 26% 21% 67 イブキ、ショウナンハヤナミ
エピファネイア 29% 21% 454 ダノンヒストリー、ミッキーファルコン
グレーターロンドン 29% 15% 34 サノノグレーター
コントレイル 33% 14% 21 コンジェスタス、ゴーイントゥスカイ、マジョレルブルー
スワーヴリチャード 25% 11% 54 ジャスティンシカゴ

キタサンブラック、キズナ、モーリスあたりは馬場が渋ってもほとんど成績が落ちません。逆にはっきり落ちるのがエピファネイアで、450走以上あってこの差なので、まあ傾向として信じていいと思います。

コントレイルは良馬場だと3着内率33%と優秀なのに、重・不良では21走で3着内が3回だけ。まだ産駒が若いので出走数は少ないですが、今のところは苦戦しています。

面白いのはスワーヴリチャード。産駒の重・不良は11%と悪いのに、その産駒のジャスティンシカゴは稍重で2戦2勝。血統より本馬の走りを信じたい例ですね。

母の父では、エムズビギンの母父Galileoが目立ちます。産駒(母父として)の重・不良の3着内率が34%で、同じ馬が良馬場を走ったときより着順が明らかに上がる。アスクエジンバラの母父マンハッタンカフェも、重・不良で成績が上がるタイプでした。

道悪適性ランク

ここからが本題です。本馬の実績をいちばん重く見て、コメント、血統の順で足し引きしました。能力の順番ではなく、あくまで「馬場が渋ったときにプラスになるか、マイナスになるか」のランクです。

S実戦で証明済み

ロブチェン
京都芝2000mの新馬戦(重・8頭立て)を逃げて0秒5差の快勝。登録馬で唯一の重馬場経験で、それが本番と同じ京都というのは大きいです。前にも行けるし控えても走れる自在性があって、518kg前後の馬格もある。父ワールドプレミアの産駒は重・不良で7走して3着内3回と、少ないながら悪くありません。

ジャスティンシカゴ
稍重は2戦2勝。セントライト記念は12番人気で、3番手から坂下で鋭く伸びて差し切りました。回顧でも、のめることなく伸びた、道悪も巧みと評価されています。2歳時の札幌の稍重戦でも、武豊騎手が「トビがいいのでこういう馬場も気にしていなかった」という趣旨のことを話していました。先行できるのも道悪では強みです。

アウダーシア
セントライト記念3着。内が残る馬場を大外から追い込んで、ゴール前で接触する不利もありながらの3着でした。父キズナは道悪で成績が落ちない、むしろ同じ馬で見ると少し上がる側。スローの切れ味勝負より、長く脚を使う流れが合うと騎手が話していたのも、渋った馬場向きの材料です。

A実績と血統の両方が後押し

アスクエジンバラ
セントライト記念は先行して3角で先頭に並びかけ、残り1ハロンまで先頭で4着。止まりそうで止まらない内容でした。父リオンディーズ、母父マンハッタンカフェとも重・不良で成績が上がる血統で、血統面では登録馬の中でも上位です。

エムズビギン
稍重の新馬戦で2着。超スローで負けたレースなので、馬場で負けたわけではありません。母父Galileoの数字がとにかく良くて、父キタサンブラックも道悪で落ちない。508kgの馬体もあって、血統だけならこの馬が一番かもしれないです。

キンググローリー
稍重の2200mで2番手から粘って3着。その後は2500〜2600mで逃げ・先行して勝ち上がっていて、スタミナと渋太さはかなりのもの。道悪は前が止まりにくいので、この脚質は合います。ただ菊花賞は格上挑戦になるので、そこは馬場とは別の話ですね。

チャリングクロス
稍重の町田特別(東京芝2400m)を3番手から押し切り。全兄のクロワデュノールは今年の宝塚記念(重)で2着でした。同じ父キタサンブラックで、きょうだいでも道悪で結果を出しています。

Bどちらとも言えない

シートゥサミット
稍重の2400mで2着ですが、騎手は馬場のせいか向正面での動きが鈍かったと話していました。向正面からまくっていく形の馬なので、そこが鈍るのは気になります。半兄ウィズユアドリームは重の御在所特別を勝っていて、血統は悪くありません。

ナリタエスペランサ
発表は良でしたが、6月の阪神で勝ったあとにルメール騎手が「少し軟らかい馬場も合う」と話しています。逃げ・先行の馬で、母父Invincible Spiritは道悪で成績が上がる側。ただ稍重以上の馬場はまだ走ったことがないので、実際に渋ったらどうかは見えていません。前走は9月の阪神芝2200mで1番人気12着でした。

ラージアンサンブル
稍重の2000mで5馬身差の圧勝があります。セントライト記念の7着は骨折明けで、度外視していいかなと。父ベンバトルの産駒は道悪の成績がまだ少なくて弱めですが、その父Dubawiは重・不良で成績が上がる血統です。

マジョレルブルー
道悪は未経験。父コントレイルは上の表のとおり苦戦中です。ただ母ブルーミングアレーの子が道悪に強くて、半姉ランブリングアレーは不良の中山牝馬ステークスを勝ち、重の京都でも2着。きょうだいのスヴァルナも重・不良で2着が2回あります。どっちに出るか、という馬です。

ショウナンガルフ
稍重の新馬戦(6頭立て)を勝っています。稍重のポートアイランドSは11着ですが、マイル戦なので距離の問題でしょう。父ハービンジャーは道悪で良くも悪くもならない数字でした。

コンジェスタス
道悪は未経験で、父はコントレイル。ただ母キラモサの子は、半兄ワースが重で1着、半姉トロピカルティーが不良の若竹賞で3着。528kgの大型馬で、加速に時間がかかるタイプなのも、切れ味勝負になりにくい道悪ではマイナスになりにくいと思います。

C不安が上回る

ダノンヒストリー
道悪は未経験。父エピファネイアは道悪ではっきり成績が落ちる血統です。フットワークがかなり大きい馬で、ワンペースな面もある。スタミナはありそうですが、馬場面ではプラスが見当たりません。

イブキ
稍重の2000mで3着。ただ回顧は上位馬に切れ負けという内容でした。その後の勝ち方は上がり最速の瞬発力勝負ばかり。父レイデオロ、母父ゼンノロブロイとも重・不良で成績が落ちていて、きょうだいも重・不良では8回走って3着内1回です。

アルトラムス
道悪は未経験。新馬戦の回顧で、トモが甘そうなフットワークと書かれていました。後ろ脚の力が要る道悪では気になるところです。神戸新聞杯でロブチェンとハナ差の2着と能力は確かなので、良馬場なら評価は変わります。

ショウナンハヤナミ
道悪は未経験で、材料自体が少ない馬です。父レイデオロで、450kg台と小柄。骨折明けの神戸新聞杯10着からの臨戦です。

ミッキーファルコン
道悪は未経験。父エピファネイアに、420〜430kg台の馬体は登録馬でいちばん軽い。騎手は軽い走りでバネがあると話していて、こういうタイプは渋った馬場で持ち味が消えやすいです。プラス材料は、半姉ミッキーゴージャスが重の小倉で勝っていること。

D実戦で苦戦

ゴーイントゥスカイ
セントライト記念は1番人気で6着。武豊騎手はこの馬場、このペースで後ろからでは厳しかったという話で、直線では内にモタれていました。父コントレイルに加えて、母ゴーイントゥザウィンドウの子も重・不良は3回走って3着内なし。ダービー4着の馬なので、良馬場なら話は別です。

サノノグレーター
セントライト記念11着。騎手は初の距離で緩い馬場、やってみないと分からなかったという趣旨のコメントでした。父グレーターロンドンの産駒は、同じ馬で比べると重・不良で着順がかなり下がります。

バステール
セントライト記念13着。斉藤崇調教師が、追い切りのときから馬場が悪いと良くなかった、今回も馬場が合わなかったとはっきり話しています。ここまで陣営が言うのは珍しいです。実は母マンビアの子は道悪巧者ぞろいで、グアドループは不良で2着2回、ミッキーハーモニーは重と不良で2勝しているんですが、本馬はそっちには出なかったみたいです。ダービー3着馬だけに、良馬場でこそ。

当日見たいこと

今回のランクは「重〜不良まで渋った場合」を想定しています。稍重くらいで収まるなら、Bより下の馬の割引はもっと小さくていいはずです。

当日は、馬場発表と、芝のレースで内と外のどちらが伸びているかを見ておきたいところです。セントライト記念のように内が残る馬場なら、先行できるロブチェン、ジャスティンシカゴ、アスクエジンバラ、キンググローリーあたりの評価はさらに上がります。

データはJRA-VANのデータをもとに集計。血統の数字は2015年1月から2026年10月18日までのJRAの芝のレースです。

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