日本ダービーはテン乗りでは勝ちにくい。過去40年の乗り替わりを見てみました

レース展望
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今週末は日本ダービーです。

ダービーは「最も運のいい馬が勝つ」と言われますが、騎手との関係もかなり大事だと思います。特に気になるのが、前走からの乗り替わりです。

過去40年のダービー馬を見てみると、前走から乗り替わってダービーを勝った馬は、たったの2頭しかいませんでした。

・2021年 シャフリヤール 福永祐一
・2023年 タスティエーラ レーン

40年で2頭です。

これを見ると、やはりダービーは簡単にテン乗りで勝てるレースではないですね。

シャフリヤールは純粋なテン乗りではない

2021年のシャフリヤールは、ダービーでは福永祐一騎手が騎乗しました。

前走の毎日杯は川田将雅騎手でしたので、データ上は乗り替わりになります。

ただ、シャフリヤールはデビュー戦と共同通信杯で福永祐一騎手が乗っています。つまり、前走だけ乗っていなかった形です。

ですから、いわゆる「初めて乗るテン乗り」とは少し違います。

馬の癖や感触を知っていた騎手が、ダービーで戻ってきたという見方のほうが近いですね。

そう考えると、過去40年で純粋なテン乗りでダービーを勝ったのは、2023年のタスティエーラに乗ったレーン騎手だけになります。

これはかなり特殊な例だと思います。

タスティエーラとレーン騎手

2023年のタスティエーラは、前走の皐月賞で松山弘平騎手が騎乗して2着でした。

ダービーではレーン騎手に乗り替わり。人気は4番人気でした。

レーン騎手はテン乗りでしたが、直線で抜け出してソールオリエンスの追撃をしのぎました。

この勝利は、乗り替わりという点ではかなり珍しいです。

ダービーのようなレースで、初めて乗る馬を勝たせるには、馬の能力だけでなく、騎手の対応力も必要になります。スタート、位置取り、折り合い、仕掛け、直線での進路。すべてを一発で合わせないといけません。

タスティエーラのダービーは、レーン騎手の上手さもあったと思います。

前走から乗り替わりで勝ったのは2頭だけ

過去40年のダービー馬を見てみると、乗り替わりで勝ったのは先ほどの2頭だけです。

40年で2頭ですから、割合にすると5%です。

しかもシャフリヤールは福永騎手がデビューから乗っていた馬です。そうなると、完全なテン乗りで勝ったのはタスティエーラだけ。

ダービーは、やはり継続騎乗が強いレースです。

出走馬全体で見ると乗り替わりは多い

ただし、ダービーに乗り替わりで出てくる馬自体は少なくありません。

過去40年の出走馬を見ると、748頭のうち乗り替わりは234頭ありました。

だいたい3頭に1頭ぐらいは乗り替わりです。

ところが、その234頭で勝ったのは2頭だけ。3着以内でも22頭です。

一方で、乗り替わりではなかった馬は514頭いて、そのうち38頭が勝っています。

数字で見ると、乗り替わりはやはり厳しいですね。

もちろん、乗り替わりになる馬は人気薄も多いですし、単純に勝率だけで比べるのは少し乱暴です。それでも、ダービーを勝つというところだけで見ると、前走から同じ騎手で来ている馬のほうが圧倒的に多いです。

1番人気の乗り替わりは2頭だけ

さらに面白いのが、1番人気で乗り替わりだった馬です。

過去40年で、1番人気かつ乗り替わりだった馬は2頭だけでした。

・1989年 ロングシンホニー
・2019年 サートゥルナーリア

どちらも勝てませんでした。

ロングシンホニーは5着。
サートゥルナーリアは4着。

サートゥルナーリアは皐月賞を勝ってダービーに出てきましたが、ルメール騎手からレーン騎手に乗り替わりでした。単勝1番人気でしたが、結果は4着。

もちろん敗因を乗り替わりだけにすることはできません。スタートや折り合い、距離、展開など、いろいろあります。

ただ、1番人気の馬でも、ダービーで乗り替わりとなると簡単ではないということですね。

人気馬の乗り替わりも勝ち切れない

乗り替わりの人気馬を見ても、勝ち切るのは難しいです。

過去40年で、乗り替わりだった1〜3番人気は全部で17頭いました。

1番人気 2頭
2番人気 6頭
3番人気 9頭

この17頭で勝った馬はいません。

3着以内に来た馬はいます。2025年のマスカレードボール、2002年のシンボリクリスエス、2001年のダンツフレームなどですね。

でも、勝つところまではなかなか行きません。

このあたりを見ると、ダービーでの乗り替わりは、人気馬でもかなりハードルが高いと思います。

なぜダービーは乗り替わりが難しいのか

ダービーは東京芝2400mです。

ただ長いだけではありません。スタート地点はスタンド前なので大歓声に戸惑う馬もすくなくありませ。スタートから1コーナーまでは約350mありますが、ここでのポジション取りは重要です。向正面で折り合いをつけて、3コーナーから4コーナーで位置を上げるか我慢するか、直線では長く脚を使わないといけません。

馬の力を出し切るには、騎手がその馬のリズムを分かっていることが大事です。

どこで息を入れられるのか。
追い出すとすぐ反応するのか。
長く脚を使えるのか。
馬群を割れるのか、外に出したほうがいいのか。

こういうことは、やはり乗ってみないと分からない部分があります。

もちろん、トップジョッキーなら初めてでも対応できます。でも、ダービーは相手も強いです。少しのズレが勝ち負けに出ます。

ダービーは馬との信頼関係が大事

ダービーは、3歳馬にとって一生に一度のレースです。

騎手にとっても、何度もチャンスがあるレースではありません。

だからこそ、継続騎乗で馬を知っていることは大きいと思います。

皐月賞で負けても、そこで馬の癖を掴んでダービーで修正する。
前走で仕掛けが早かったから、今回は我慢する。
前走で位置が後ろすぎたから、今回は少し出していく。

こういう積み重ねができるのは、継続騎乗の強みです。

データを見ても、ダービーを勝った馬の多くは前走と同じ騎手です。乗り替わりで勝った例はありますが、本当に少ないです。

今年のダービーでも乗り替わりは注意

今年のダービーでも、乗り替わりの馬は注意して見たいところです。

乗り替わりが絶対にダメというわけではありません。タスティエーラのように勝つ例もあります。

ただ、過去40年で純粋なテン乗り勝利はレーン騎手のタスティエーラだけです。

これはかなり重い数字ですね。

特に人気馬が乗り替わりになる場合は、少し慎重に見たいです。能力が高くても、ダービーで初めて乗って勝ち切るのは簡単ではありません。

逆に、前走から同じ騎手で、皐月賞やトライアルを使って馬の特徴を掴んでいる馬は、やはり評価しやすいです。

ダービーは特別なレース

過去40年を振り返ると、ダービーは本当に特別なレースだと思います。

前走から乗り替わりで勝ったのは2頭。
そのうちシャフリヤールは福永祐一騎手が以前から乗っていた馬。
純粋なテン乗りで勝ったのは、レーン騎手のタスティエーラだけ。
1番人気で乗り替わりだったサートゥルナーリアとロングシンホニーは、ともに勝てませんでした。

これだけ見ると、ダービーでは「馬を知っている騎手」が大きな意味を持つのだと思います。

強い馬に乗れば勝てるわけではない。
有名な騎手に替われば勝てるわけでもない。
その馬と騎手が、ダービーまでにどういう競馬をしてきたか。

そこが大事ですね。

今年のダービーも、馬の能力だけでなく、騎手とのコンビという視点で見てみたいと思います。

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