レース終了後のコメントには騎手によって本音だったり、馬主や調教師向けだったり、当たり障りのないコメントだったり、いろいろあります。特に勝った時や惜しかったときなどのコメントは本音に近いので、次のレースの参考になります。そこで、レース後コメントより勝ち馬になりそうな馬を探してみたいと思います。
第88回日本ダービーの前走のレース後騎手コメントから勝ち馬になりそうな馬を探してみます。
◆ 1枠 1番 エフフォーリア 牡3 横山武史 57(美)鹿戸雄一
【前走関係者コメント】
横山武騎手 最高です!デビューから乗せていただいて、ここまで順調にこれましたし、何とか結果を出したかったので、現実になって良かったです。人気でのプレッシャーはありましたが、自分の持てる技術を発揮し、馬の能力を出し切れれば勝てると自分に言い聞かせて臨みました。思ったよりペースが流れなかったので、いいポジションを取れましたし、4角では狭くなりましたが、よく割ってくれました。次はもっと大きなレースになると思います。更なるプレッシャーがかかりますが、馬は勿論、自分も更に成長して、期待に応えられるように頑張ります。
【前走時次走へのメモ】
シャドーロール。10キロ減も腹構えはしっかり。互角の発馬から行き脚がついて、すんなり4番手の内につける。道中は完璧に折り合って、3角でダノンザキッドが動き始めても内でじっと脚をためていた。4角でも冷静に内を狙い、直線に入ると一気に加速。あとは追われる毎に伸びて突き放してしまった。3馬身差は圧勝と言える部類だろう。ダービーに向けて視界良好。
◆ 1枠 2番 ヴィクティファルス 牡3 池添謙一 57(栗)池添学
【前走関係者コメント】
池添騎手 スタートが決まって、1コーナーの入りは折り合いもついていい感じでした。向正面は内が悪かったので、馬場のいいところを選んで運び、流れもいい感じでしたが、3角過ぎにペースアップした時に、こちらも手が動いてしまいましたからね。直線ももう少し伸びると思ったのですが……。
【前走時次走へのメモ】
発馬互角から中団の馬込みの中。3~4角で外へ出したのは前走と同じ。それでも直線は思ったほどの伸びは見られなかった。重馬場を好走したあとの中3週、多少エネルギー不足だったかも。
◆ 2枠 3番 タイムトゥヘヴン 牡3 石橋脩 57(美)戸田博文
【前走関係者コメント】
M.デムーロ騎手 スタートが凄くうまくて、いい位置で、馬場のいいところを走れました。ただ、勝負どころで狭くなってしまって……。まだ狭くなると自分から間に入っていけるほど気持ちがしっかりしていないので、こうなると厳しいですね。最後はジリジリと伸びてくれたんですが。
【前走時次走へのメモ】
シャドーロールとチークピーシズ。好気合が目につく。好スタートから中団の前めでソングラインと併走の形。3角で外へ出そうとしてソングラインと接触したがダメージは少なく、手応えを残して4角を回ってきた。直線は外へ出そうとして再びソングラインと接触、仕方なく内へ切り返したが、その後はジリジリとしか伸びなかった。
◆ 2枠 4番 レッドジェネシス 牡3 横山典弘 57(栗)友道康夫
【前走関係者コメント】
川田騎手 自分のリズムをキープしながら、この流れなら追いかけなくてもいいと思い、リズム良く行けました。直線に入っても手応えは良かったですし、あとはルペルカーリアを掴まえるだけだと思いました。距離は長い方がこの馬にとっては競馬がしやすいと思います。賞金を加算することができましたし、ダービーでもいい走りができると思います。
【前走時次走へのメモ】
出たなりに中団の後ろ。動き出したのは半マイル標。4角で5番手の外までポジションを上げ、直線はひと追い毎にルペルカーリアに迫り、ゴール前できっちりと差し切った。
◆ 3枠 5番 ディープモンスター 牡3 武豊 57(栗)池江泰寿
【前走関係者コメント】
戸崎騎手 バネのある感じの、いいフットワークをしていますが、まだしっかりするのは先だと思います。今日は外々を回る形になってしまいましたし、前残りの展開できつかったですね。
◆ 3枠 6番 バジオウ 牡3 大野拓弥 57(美)田中博康
【前走関係者コメント】
戸崎騎手 ダービーの切符が一枚しかないので、勝てて良かったです。スタートは少し遅れ気味になったのですが、うまくリカバリーして先団でリズムに乗って走れました。手応えは十分にありましたし、この馬のいつもの形で運べて、最後まで脚いろが衰えることもなかったです。一戦毎に力強くなっていますね。状態がいいので、このまま無事に本番も出走して、そこでもいい走りを見せられたらと思います。
【前走時次走へのメモ】
好気配。ジャックドールを行かせて、がっちり2番手をキープ。馬群は縦長になったが、落ち着いた流れでレース運びは理想的。直線半ばで満を持して先頭へ躍り出ると、ディオスバリエンテの追い上げを危なげなく振り切って1馬身半差の快勝。
◆ 4枠 7番 グラティアス 牡3 松山弘平 57(美)加藤征弘
【前走関係者コメント】
M.デムーロ騎手 外枠は厳しかったですね。スタートをうまく出てくれて、いい位置を取れましたが、3戦目の今回はまずまずペースが流れていて終始出していきながらでした。それにずっと外を回る形でしたし、馬場にも脚を取られていましたからね。直線に向く際にはぶつかってしまって……。馬は良くなっていると思いますし、良馬場ならもっといいところを見せられるでしょう。
◆ 4枠 8番 ヨーホーレイク 牡3 川田将雅 57(栗)友道康夫
【前走関係者コメント】
岩田望騎手 3~4角で狭くなるところがありましたが、いい根性を見せてくれましたね。最後まで脚が上がることなく、頑張ってくれました。
【前走時次走へのメモ】
しっかりとした腹構えで馬力のありそうな体つき。発馬は互角に出たが、馬任せに後方待機。3~4角は馬込みの中を進み、4角で外へ出す。直線も伸びてきたが、前を捉えるほどの鋭さはなかった。現状の力は出せている。
◆ 5枠 9番 ラーゴム 牡3 浜中俊 57(栗)斉藤崇史
【前走関係者コメント】
北村友騎手 調教ではうまくいろいろ工夫してもらったことで、単走でゆったりと走れるようになったのですが、競馬ではブレーキに対する操縦性が利きづらかったですね。3~4角でもうひと頑張りスイッチが入るところを作れなかったですし、今後はそれを踏まえて改善できればと思います。
◆ 5枠10番 シャフリヤール 牡3 福永祐一 57(栗)藤原英昭
【前走関係者コメント】
川田騎手 勝ち切れて何よりです。ゲートはあまり速くなかったですが、位置取りはスムーズでした。まだしっかりと動き切れないところがあるので、少し無理をして動いてもらい、何とか凌いでくれました。もともとポテンシャルが高く期待されてのデビューでしたから。勝ち切ってくれたので、次に向けての準備ができます。
【前走時次走へのメモ】
いかにも良馬場が向きそうな、切れのあるフットワーク。出遅れたが、ジワジワと前へ。力むのを抑え込んで脚をためる。ルペルカーリアの後ろで直線に向いてしばらく進路がなかったが、ウエストンバートがバテて前が開くとグッと加速。鮮やかに抜け出した。
◆ 6枠11番 ステラヴェローチェ 牡3 吉田隼人 57(栗)須貝尚介
【前走関係者コメント】
吉田隼騎手 ゲートに関しては練習の時と全然違いましたね。ただ、出たあとは枠も良かったですし、人気馬を見る形で運びました。いつでも外へ出せるようにしていましたが、内の馬の方が進みが良かったので切り替えて勝ち馬についていく形を。ただ、その勝ち馬は強かったですね。この馬自身もボコボコの馬場だったなかよく伸びていますが、もっと馬場がグチャグチャだった方が良かったです。それでも、向正面に入るところで噛みましたが、終いは最後までいい脚で伸びていましたし、次の2400メートルにつながる競馬はできたと思います。
【前走時次走へのメモ】
クロス鼻革。二人引きでも落ち着き払って周回。発馬は互角に出たが、無理せず後方の内。多少行きたがる素振りを見せたが、概ねスムーズに追走できていた。4角手前で仕掛けた時の反応はひと息だったが、直線で内に進路を取るとしっかりと伸びてきた。この距離まではこなせることを証明。
◆ 6枠12番 ワンダフルタウン 牡3 和田竜二 57(栗)高橋義忠
【前走関係者コメント】
和田竜騎手 枠が良かったのでいい位置で運べたし、ある程度ペースも流れてくれたことでレースがしやすかったですね。手応えほど伸びないのがこの馬のパターンですが、その中でも凌いでくれたように成長を感じる強い内容でした。爪が悪くなってしまい皐月賞に間に合わず、ダービーに出られないかもしれない賞金だったので、トライアルを勝って本番に向かえるのは何よりです。正直、状態としてはまだまだと感じていたので、叩いて良くなるでしょうし、次はもっといい状態で挑めるように厩舎の方々と頑張って馬を造っていきたいですね。本番を楽しみにしていてください。
【前走時次走へのメモ】
結構いいペースで流れる中を、先団から少し離れたいい位置。直線半ばで外から先頭に立つと、左手前に戻ったりしながらも、外から迫る3着馬を凌ぎつつ、内から追い上げてきた2着馬に、馬体を併せにいって押し切る。
◆ 7枠13番 グレートマジシャン 牡3 戸崎圭太 57(美)宮田敬介
【前走関係者コメント】
ルメール騎手 最初は少し掛かったけど、その後は冷静に走ってくれました。直線はよく伸びてくれましたが、最後は少し苦しくなってしまいました。レコードの馬場もありました。
【前走時次走へのメモ】
もう少し増えても良さそうな体つき。出負けしたが、軽く促して位置を取りにいく。中団あたりまで上がったところで抑え込んで我慢。直線は微妙に内に流れながらもよく伸びたが、勝ち馬には僅かに及ばなかった。4角での僅かなコース取りの差が出たか。
◆ 7枠14番 タイトルホルダー 牡3 田辺裕信 57(美)栗田徹
【前走関係者コメント】
田辺騎手 理想はハナでしたが、レースだから仕方がないですね。それでもコース取りは自分の思う通りにいきました。向正面でペースが落ちた時にムキになりかけても、そこでよく辛抱できました。直線では勝ち馬には離されてしまいましたが、最後までジワジワと脚を使ってよく頑張ってくれました。この馬も力をつけていることは確かですね。
【前走時次走へのメモ】
パドックは二人引きで気迫溢れる姿。抜群のスタートからハナへ行く姿勢を見せたが、内からワールドリバイバルが主張して2番手に控える。残り5ハロンからペースが上がった時も難なく対応して、3角では早くも先頭。そのまま4角を回るとすぐ内から勝ち馬に交わされたが、そのあとが実に渋太かった。内外からライバル達に殺到されたが、ぎりぎり2着に粘り込む。
◆ 8枠15番 アドマイヤハダル 牡3 M.デムー 57(栗)大久保龍
【前走関係者コメント】
ルメール騎手 ずっと勝ち馬をマークして、直線は大外へ出す形を。よく頑張ってくれましたが、坂を上がってから苦しくなりましたね。重賞レベルのレースは今回が初めてでしたし、背中が柔らかくてこれから良くなる馬だと思います。それでも今日は凄くいいレースができましたよ。
【前走時次走へのメモ】
牡馬にしては薄手の馬体だが、柔軟性は十分。発馬は五分。外へ出そうとはせず、エフフォーリアの直後につける。4角手前で外へ出し、直線は懸命に前を追う。しっかり伸びてはいるが、前走ほどの切れ味はなかった。やはり良馬場でこその馬ではないか。
◆ 8枠16番 サトノレイナス 牝3 C.ルメー 55(美)国枝栄
【前走関係者コメント】
ルメール騎手 大外枠だったからね。いい競馬だったけど、仕方がない。オークスに期待します。
【前走時次走へのメモ】
好仕上がりに映った。今回も出は遅く、後方から。じっくりと脚をためて追走。直線に向いてから追い出し、ラスト300メートルでアールドヴィーヴルの外に持ち出すとそこからグイグイ伸びた。超高速決着で他の上位馬はある程度前で立ち回った面々。強い競馬をしている。発馬が今少し上達してくれば。
◆ 8枠17番 バスラットレオン 牡3 藤岡佑介 57(栗)矢作芳人
【前走時次走へのメモ】
発走直後に躓いて落馬。
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