日本ダービーを勝つためには、日本ダービーを基準にし逆算して使うレースを決め、そのスケジュール通りにレースを使えるかどうかが大事になってくる。デビュー戦をいつにするのか、デビュー戦を勝ったら次はどのレースを使うのか、負けたら休養に入るのか、レースに使うのか。スケジュール通りに事が運んでも、日本ダービーを勝てるわけではない。それでも、最善と考える方法を取るのがいいのでしょう。
過去33年間の日本ダービー馬を見ると、前走が皐月賞は26頭、NHKマイルカップは3頭、京都新聞杯は2頭、桜花賞とすみれSが1頭でした。前走からの出走頭数の多い皐月賞を見ると皐月賞の前のレースではトライアルレースである弥生賞、スプリングS、若葉賞、共同通信杯などを使っていましたが、今年のサートゥルナーリアの場合は前走がホープフルSという異例のローテーションでした。トライアルを一切使わず、年明けに一度もレースに出さずに皐月賞を勝ったのは過去に一頭もいませんでした。
異例といえばフサイチコンコルドもその1頭。デビューが年明けの1月5日、2戦目が3月9日のすみれS、そして3ヶ月の休み明けで日本ダービーを勝ってしまいました。この時の1人気はダンスインザダークで、この馬は皐月賞トライアルの弥生賞を勝ったが、皐月賞前に熱発を発症し、回復を待ってプリンシパルを使い日本ダービーへ。ダンスインザダークはダービー前に弥生賞、プリンシパルSと2回の輸送を行いました。これが、弥生賞だけであれば違った結果になったかもしれませんね。
サートゥルナーリア陣営からは皐月賞が終わった後に、ホープフルSから皐月賞へ直行したローテーションについて聞かれると「ダービーを目標とすると、(トライアルを使うと)中山へ2回輸送することになるがそれは馬への負担が大きい」とオーナーサイドの声があったということでした。サートゥルナーリア陣営としては目標はあくまでも日本ダービーを勝つことだったので、この異例のローテーションで挑んできたのでしょう。これは、大馬主のキャロットファームだから出来ることだし、サートゥルナーリアという能力のある馬だから出来るローテーションなのでしょうね。
日本ダービーを勝つためのローテーションで来ているのはサートゥルナーリアだけではなく、皐月賞2着のヴェロックスは東京スポーツ杯2歳Sで、左回りの東京競馬場を経験し皐月賞トライアルは関西の若葉Sを使っていました。皐月賞が目標であればトライアルは中山コースで行われる弥生賞かスプリングSですが、日本ダービーを目標にするなら輸送が少なくてすむ若葉Sを選択したのでしょうね。オーナーの金子真人氏はディープインパクト、キングカメハメハでダービーを勝っていますので、皐月賞はあくまでも通過点的な考えかもしれませんね。
ダノンキングリーは共同通信杯を勝ったことで、賞金が加算されトライアルは使わずに皐月賞に出走。皐月賞では3着になってしまいましたが、日本ダービーが行われる東京コースは2回経験し2勝している。鞍上の戸崎圭太はデビューから手綱を取って、馬に競馬を教え込んできているので、人馬一体となって日本ダービーを取りにくるでしょうね。
ちなみに、日本ダービーの出走予定の中でデビューから手綱を取り続けているのはダノンキングリーの戸崎圭太とニシノデイジーの勝浦正樹だけした。
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