ノーザンファームの収益システムについて

生産者馬主
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種牡馬ビジネス

種牡馬ビジネスはノーザンファームというよりは社台スタリオンステーションになりますが、代表取締役には吉田照哉氏、吉田勝己氏、専務取締役には吉田晴哉氏となっているので枠組みに入れてみました。社台スタリオンステーションは『種牡馬の種付け場』です。

サイトを見ると2021年シーズンの種付け料が出ていました。これを見ると、リストには31頭の種牡馬が明記されていて、種付料はロードカナロアが1500万、エピファネイアとキズナとドゥラメンテが1000万でした。ロードカナロアの種付け料は2017年が500万なので、4年で1000万ほど値上がりしました。これも、アーモンドアイやサートゥルナーリアなど多くのG1馬を輩出したからですね。

社台スタリオンステーションの種付け料は他のスタリオンと比べて高いですが、多くの重賞勝ち馬が出ていますからね。オルフェーブルは350万ですが、産駒の活躍次第で値上がりするでしょう。

セレクトセール・庭先取引

ノーザンファームで生産された馬の一部はセレクトセールに上場されます。昨年のセレクトセールでは1歳馬のセリでは229頭が売却され、売上総額は104億2800万円(税別)でした。当歳馬のセリでは203頭が売却され、売上総額は83億3300万円(税別)でした。

セレクトセールで売却された馬の販売者を見ると1位は(有)ノーザンレーシングが105頭(1歳52頭、当歳53頭)で、販売額は73億4400万(税別)、2位はノーザンファームで77頭(1歳43頭、当歳34頭)で、販売額は40億3800万(税別)、3位は社台ファームで87頭(1歳51頭、当歳36頭)で、販売額は31億3700万(税別)、4位が(株)レイクヴィラファームで21頭(1歳21頭)で、販売額は5億8400万(税別)でした。

(有)ノーザンレーシングはノーザンファームの子会社なので、ノーザンレーシングとノーザンファームの2つを合わせると販売額は113億8200万円(税別)で、全体の60.7%になります。

ノーザンファームで生産された馬はセレクトセールで販売するだけではなく、個人へ直接販売する庭先取引も行っているようです。TARGETの馬データ画面で市場取引価格が表示されていない馬は庭先取引で購入している可能性があります。

JAPAN RACING HORSE ASSOCIATION 一般社団法人 日本競走馬協会 - JRHA(一般社団法人 日本競走馬協会)
一般社団法人 日本競走馬協会。ディープインパクトを輩出した、日本最大の競走馬市場「セレクトセール」を主催。

クラブ馬ビジネス・オーナーズ

ノーザンファームで生産された馬の一部はクラブ法人に提供されています。主に、ノーザンファーム傘下のサンデーレーシング、ノーザンファームと提携しているシルクレーシング、ノーザンファームから多くの競走馬を提供されているキャロットファームなど。他に東京ホースレーシングやG1レーシングなどのクラブ法人にも提供しています。

また、社台オーナーズへの提供も行っています。こちらは吉田勝己名義の競走馬はノーザンファーム生産馬がほとんどです。吉田照哉名義は社台ファーム生産馬になります。

サンデーレーシングの2020年の募集馬を見ると、90頭に募集があり全て満口でした。サンデーレーシングは40口で、一番高かったのはラヴズオンリーミーの19牡(父ディープインパクト)で375万でした。90頭の総額は35億9000万円(税別)でした。

キャロットファームの2020年の募集馬を見ると、92頭に募集があり88頭が満口でした。88頭のうち69頭がノーザンファーム生産馬で、総額は24億800万円(税別)でした。

シルクレーシングの2020年の募集馬を見ると、75頭に募集があり全て満口でした。75頭のうち58等がノーザンファーム生産馬で、総額は19億3700万円(税別)でした。

サンデーレーシング、キャロットファーム、シルクレーシングの募集馬で、ノーザンファーム生産馬の合計金額は79憶3500万円(税別)でした。

 

外厩ビジネス

ノーザンファームの関連施設には東西にそれぞれ外厩施設があります。美浦トレーニングセンターに入厩する馬が使用するのがノーザンファーム天栄、栗東トレーニングセンターに入厩する馬が使用するのがノーザンファームしがらきです。

ノーザンファーム生産馬の多くがノーザンファームの外厩を利用しています。この外厩にも利用料がかかります。現在、ノーザンファーム生産馬の現役馬は1054頭います。この1054頭が内厩と外厩を往来してると思います。

ノーザンファームの外厩利用料がいくらかかるかはっきり分かりませんが、JRAの厩舎預託費用は月55~80万円ぐらいで、それよりも外厩は安いということですから30~40万円ぐらいでしょうか。それでも、1000頭以上が外厩を利用しているとなると相当な金額になるはずです。

 

まとめ

ノーザンファームは生産した競走馬の中から種牡馬に適した馬が社台SSに入ります。そして、種牡馬ビジネス(種付け料)をします。生産した馬はセレクトセールや庭先取引で販売します。また、クラブ馬に提供して出資者から費用を頂きます。そして、競走馬をしてレースを使うようになり外厩を利用していただくことで利用料が入ります。このようにして、多くの収入を得ることで海外から良血の種牡馬や繁殖牝馬を輸入して、新たな大種牡馬を誕生させるように努力していると思います。

ノーザンファーム以外にも同じような生産・販売・クラブ法人・外厩をもつ法人もありますが、ノーザンファームほどの規模はないです。ノーザンファームは規模も大きいですが、スタッフのレベルも他とは違うと思います。競走馬・施設・スタッフなどすべてにおいてノーザンファームは日本で一番です。競走馬事業としては世界一ではないでしょうか。

ザクっとまとめてみましたが、こんな感じではないでしょう。重賞レースではノーザンファーム生産馬ばかりという事もありますが、それはノーザンファーム生産馬が強いからでしょう。ノーザンファームのHPには「北海道発、世界に通用する馬づくり」とあるのですから、G1レースで全馬がノーザンファーム生産馬となってもおかしくないでしょう。

 

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