ノーザンファーム生産馬が重賞で好走するのはなぜ?

生産者
スポンサーリンク
スポンサーリンク

昨年、G1レースは24レース行われました。その24レースの生産者を見ると、3歳クラシックはノースヒルズが3勝(コントレイル)、長谷川牧場が3勝(デアリングタクト)でしたが、それ以外ではノーザンファームが15勝、白老ファームとSummer Wind FarmとAlpha Delta Stables LLCが1勝でした。

G2レースは36レース行われ、ノーザンファームが18勝、村田牧場と社台ファームとケイアイファームが2勝、その他の12生産者が1勝でした。G3レースは68レース行われ、ノーザンファームが24勝、社台ファームが8勝、2勝(木田牧場、天羽禮治、社台コーポレーション白老ファーム、ヤナガワ牧場、ノースヒルズ、Paul P. Pompa)、1勝が24生産者でした。

今年も中山金杯、京都金杯、シンザン記念、フェアリーSをノーザンファーム生産馬が勝っています。フェアリーSを勝ったファインルージュの馬主・六井元一氏はこの馬は初所有馬になります。ファインルージュは2018年の当歳セレクトセールで3564万円で落札されました。母パシオンルージュの子はこれまで4頭出走し、3頭が勝ちあがっています。また、その3頭は牝馬なので初めての所有馬としてはいい馬です。また、ファインルージュは未勝利戦でルメールが騎乗し初勝利、2戦目のフェアリーSでもルメールが騎乗して優勝。ノーザンファームのバックアップでルメールを用意しての優勝ですから、ノーザンファームの凄さがよくわかります。

今回のケースばかりではなく、重賞レースにおいてノーザンファームを知ることが馬券戦略において重要だと思っています。どのレースを狙ってくるのか、コースや距離や場所などから狙い目を探ってみました。また、ノーザンファーム生産馬の過去2年の成績を見ると 【119- 104- 97- 81- 80- 591/1072】となっていて勝率が一番よく、2着、3着、4着、5着と徐々に落ちてきます。ノーザンファームは勝ち負けできる馬を作ってくるので、データは1着と2着を拾ってみました。以下は昨年のG2レースの1着と2着の種牡馬と生産者の一覧になります。

 

過去2年(2019-2020)の重賞 生産者別成績

過去2年(2019-2020)の重賞成績をTARGETのレース検索で集計してみました。生産者別の成績をCSV出力してみました。表のMは1着と2着の合計数、シェアは全体の1着と2着の合計数に対してのノーザンファームのシェアになります。

過去2年の重賞レース数は258レース(芝228、ダート30)です。ノーザンファームの1着のシェアは46.1%、2着のシェアは40.4%でした。1着と2着合計のシェアは43.2%を驚異の占有率です。勝ちすぎという見方もありますが、それだけ優秀な競走馬を生産しているということです。

 

過去2年(2019-2020)の重賞 クラス別成績

集計の条件は前出のデータを同じです。項目のMがノーザンファームの1着と2着の合計、項目のNFは全体の1着と2着の合計数に対してのノーザンファームのシェアになります。

これを見ると、G3よりもG2、G2よりもG1でのシェアが上がっています。また、年齢別では古馬よりも2歳戦の方がシェアが高いです。馬場別を見ると、芝の成績がいいのが分かります。ノーザンファームは未来の種牡馬作りも見据えて、芝のレースに力を入れているのが分かります。

 

過去2年(2019-2020)の重賞 場所別成績

集計の条件は前出のデータを同じです。項目のMがノーザンファームの1着と2着の合計、項目のNFは全体の1着と2着の合計数に対してのノーザンファームのシェアになります。

これを見ると、東京、中山、中京、阪神が全体よりもいいです。特に芝のレースでは東京と阪神がいいです。東京はダービー、オークス、天皇賞秋、ジャパンカップ、安田記念、NHKマイルカップ、ヴィクトリアマイルなど7つのG1が行われます。後継種牡馬の観点からダービー、天皇賞秋、ジャパンカップはノーザンファームが取りたいレースなので、この3つのレースを勝つための馬作りをしていると思います。

 

過去2年(2019-2020)の重賞 距離別成績

集計の条件は前出のデータを同じです。項目のMがノーザンファームの1着と2着の合計、項目のNFは全体の1着と2着の合計数に対してのノーザンファームのシェアになります。

距離別のデータを見ると、1600m、2000m以上が強いです。短い距離の成績は良くないのは、この距離は力を入れていないということです。

 

過去2年(2019-2020)の重賞 騎手別成績

集計の条件は前出のデータを同じです。項目のMがノーザンファームの1着と2着の合計、項目のNFは全体の1着と2着の合計数に対してのノーザンファームのシェアになります。ルメールがノーザンファーム生産馬に騎乗して時の連対数は37、ルメールの重賞での連対数は51、ルメールが重賞での連対数に対するシェアは72.5%でした。

騎手別の成績を見ると、ルメール、福永祐一、北村友一、レーン、デムーロの5名はシェア60%を超えています。ルメールは重賞でノーザンファーム生産馬に82回騎乗して【 22-15- 7-38/82】の成績でした。1人気での騎乗数が41回と多いので、1着数も多いです。ただ、取りこぼしも多いです。

川田将雅はノーザンファーム生産馬に67回騎乗して【15- 7- 9-36/67】の成績でした。1人気での騎乗は23回でルメールに次いで多かったです。

福永祐一はノーザンファーム生産馬に71回騎乗して【 9-12-11-39/71】の成績でした。1人気での騎乗数は10回で4番目の多さです。1人気での勝率は40%で、ルメールや川田将雅よりもいいです。

昨年はコロナ禍で秋のG1戦線において短期免許の外国人騎手が来日していません。ですから、日本人騎手に馬が回ってきています。今年の秋にノーザンファーム生産馬で活躍した騎手に注目しています。

 

まとめ ノーザンファームの主戦はルメール

巷でルメールファーストと言われていますが、リーディングジョッキーにいい馬が集まるのは自然の流れです。ですから、この傾向は続くと思います。ルメールに次ぐのは川田将雅、福永祐一、北村友一、松山弘平です。次いでM.デムーロ、岩田康誠、石橋脩、武豊、戸崎圭太、池添謙一になると思います。

ここまではノーザンファーム生産馬についてですが、ノーザンファーム系(サンデーレーシング、キャロットファーム、シルクレーシング)で見てみると、騎乗数はルメール、北村友一、石橋脩、池添謙一、福永祐一、丸山元気の順でした。

グレードの高いレースはノーザンファーム系が強いです。G2でも、1600mや2000m以上はノーザンファーム系が強いです。非根幹距離やG3になるとノーザンファーム生産馬も好走する可能性が高いです。ノーザンファーム系個人馬主(金子真人、ダノックス、近藤英子、野田みずき、サトミカンパニー)もノーザンファームの上顧客なので、重賞では注意が必要になります。

 

基礎データ northernfarm.xlsx

コメント