2019-2020の過去2年の重賞レースは258レースありました。そのうちG1が48レース、G2が71レース、G3が137レースです。コース別で見ると、芝はG1が44、G2が69、G3が113。ダートはG1が4、G2が2、G3が24でした。重賞のほとんどが芝コースで行われているのが分かりますね。ダートは地方交流重賞が充実しています。
下の表はTARGETのレース検索で過去2年の重賞を集計したデータです。重賞レースにおいてノーザンファーム系が強いというのは書いてきましたが、今回はクラス別も集計してみました。これを見ると、芝のG1は48レース(96連対)あり、そのうちノーザンファーム系クラブ馬主が45連対、G2は70レース(140連対)あり、そのうちノーザンファーム系クラブ馬主が36連対、G3は112レース(224連対)あり、そのうちノーザンファーム系クラブ馬主は46連対でした。
今度はノーザンファーム系の個人馬主を入れてみると、G1レースでは55連対、G2レースでは62連対、93連対でした。比率からするとノーザンファーム系はクラスが上がるほど強いというのが分かりました。G3の連対数を見ると、ノーザンファーム系クラブ以外では金子真人HD、ゴドルフィン、社台レースホースなどが2桁連対しています。また、個人馬主もG3になると連対数が増えてきます。重賞の連対数が少ない馬主は2~3頭の馬が複数回連対しているケースが多いです。
過去2年に重賞に出走した馬は1357頭いますが、そのうち勝った馬は175頭になります。勝ち馬率はわずか12.9%でした。また、ノーザンファーム生産馬は73頭が勝ち、勝ち馬率は5.4%でした。ノーザンファーム系馬主は68頭が勝ち、勝ち馬率は5%でした。
ノーザンファーム系クラブ馬はG3よりもG2、G2よりもG1で活躍しています。全体で見ると、重賞は258レース行われて、ノーザンファーム系馬主は117勝(ノーザンファーム系クラブ馬主は74勝)です。実際はノーザンファーム系馬主以外の方が勝っているのが事実です。種牡馬で見ても社台ファームで繋養されているディープインパクト産駒の重賞レースでの成績を見ると、ノーザンファーム生産馬とノーザンファーム以外での生産馬でほぼ同じぐらいでした。
下の表は2019-2020年の重賞レースを集計したデータです。水色バックが社台スタリオンステーションの繋養種牡馬です。水色バックの1着/2着がノーザンファーム生産馬で、その隣の1着/2着がノーザンファーム以外の生産馬です。
ノーザンファーム生産馬の方が成績がいい種牡馬は、ルーラーシップ、ハーツクライ、キングカメハメハ、オルフェーブル、ハービンジャー、ジャスタウェイ、ダイワメジャーなど。ノーザンファーム生産馬の以外で成績がいい種牡馬はロードカナロア、ステイゴールド、キズナなどです。
ノーザンファーム系が独占ということではない事実が分かりましたが、重賞においてはノーザンファーム系を外しては考えられないということも分かりました。社台は他の生産者と上手にやりながらも、大きなところは持って行くみたいな感じです。
どんなに良血でも、高額馬でも走らない馬の方が多いです。でも、ノーザンファーム系が強いのは育成システムや外厩システムが他よりも優れているからだと思います。また、厩舎との連携もいいのでトップコンディションでレースに挑めていると思っています。
競走馬の能力は一定ではないので、どれだけレースに向けてトップコンディションに持って行けるか。体調管理など、状態がよくなければしっかり休養させて使える状態になってからレースに挑む。ノーザンファーム系の競走馬が休み明けでも好走出来るのは、その準備が整うまでじっくり調整するからでしょう。馬の個性に合わせたトレーニングをしているからだと思います。
ノーザンファーム系が強いのは『いい馬がいる』だけではなく、『強い馬を作り上げるシステムがある』からだと思います。
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