ノーザンファームと馬主について

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これまでノーザンファームについて『ノーザンファーム生産馬が重賞で好走するのはなぜ?』『データで見るノーザンファームについて』など書いてきました。今度はノーザンファーム生産馬と馬主についてTARGETで集計したデータを元に書いてみたいと思います。

過去2年(2019年と2020年)に行われた芝とダートの重賞は258レースありました。そのうち、ノーザンファーム生産馬は119レースで勝っています。クラス別で見るとG1レースで34勝、G2レースで34勝、G3レースで50勝でした。G1レースは2年で48レースなので70.8%がノーザンファーム生産馬でした。また、ノーザンファーム生産馬の馬主で見ると34勝の内訳は、サンデーレーシングが14勝、シルクレーシングが7勝、キャロットファームが5勝、他8馬主が1勝ずつでした。

ノーザンファーム関連の馬主はサンデーレーシング、シルクレーシング、キャロットファームです。この3つの馬主はノーザンファーム直系の馬主と私は呼んでいます。直系馬主が大レースで強いのは言わずもがなですが、それ以外に金子真人、サトミホースカンパニー、ダノックス、野田みずきなどの個人馬主、東京レースホース、G1レーシングなどのノーザンファーム生産馬を多く所有するクラブ法人なども重賞で活躍しています。

下の表は、過去2年の芝とダートの重賞レースの馬主別成績です。項目の『NF1』はノーザンファーム生産馬の1着馬の数です。これを、見ると水色バックの馬主がノーザンファーム生産馬で勝っているのが分かります。

 

今年に入って重賞レースは7戦6勝のノーザンファーム生産馬

先週の京成杯を勝ったグラティアス、日経新春杯を勝ったショウリュウイクゾの生産者はノーザンファームでした。馬主はグラティアスがスリーエイチレーシング、ショウリュウイクゾが上田芳枝でした。

今年に入って重賞レースは7レース行われましたが、6レースでノーザンファーム生産馬が勝っています。直系馬主はシルクレーシングとサンデーレーシングが1勝ずつ、それ以外の4勝は個人馬主でした。

 

4名の個人馬主を見てみると、阿部雅英氏はヒシの冠名で競走馬を走らせています。所有馬一覧を見ると、現5歳馬あたりからノーザンファーム生産馬を購入しています。重賞を勝ったヒシイグアスは2016年のセレクトセールで1億476万円で購入していました。管理厩舎は美浦の堀宜行厩舎で、デビュー戦ではライアン・ムーアが騎乗、その後もルメール、ミナリク、デムーロ、レーンなど外国人騎手が騎乗。前走と金杯に松山弘平が騎乗して勝っています。騎手を見ても分かる通り、個人馬主ですがノーザンファームの主戦騎手が騎乗しています。

六井元一氏はファインルージュが初の所有馬でした。管理するのは栗東の木村哲也厩舎で、デビュー戦は北村宏司が騎乗し2着、次の未勝利戦でルメールが騎乗して勝ち、先日の重賞のフェアリーSもルメールが騎乗して勝っています。新興馬主にルメールが騎乗するというのは珍しい?ですが、木村哲也調教師はこれまでノーザンファーム生産馬を多く管理していました。また、直系馬主の競走馬も多く管理していました。また、吉田勝己氏の妻・吉田和美氏の所有馬も多く管理するなどノーザンファームとの繋がりが強い調教師です。初所有の競走馬が重賞をいきなり勝つ、しかも鞍上がルメールというのはこれから馬主になる人に向けての強いアピールになったと思います。

ショウリュウイクゾの馬主・上田芳枝氏ですが、ショウリュウイクゾはデビュー時は上田亙氏が所有者になっていました。そして、2019年秋に上田芳枝に所有者が変更になっていました。その時期のタイミングで、デビューから騎乗していた浜中俊から川田将雅に主戦が変わっています。日経新春杯では川田将雅がヴェロックスに騎乗するために団野大成が乗り替わりで騎乗し、見事に勝利しました。団野大成は2年目の昨年は62勝を挙げリーディング15位の成績でした。

スリーエイチレーシングはシャドウの冠名で競走馬を所有していた飯塚知一氏の法人です。飯塚知一氏名義の所有馬は社台ファームとの繋がりが強く、スリーエイチレーシングはノーザンファーム、社台ファーム、下河辺牧場の3つの生産者の馬が多いです。スリーエイチレーシング名義で、ノーザンファーム生産馬はこれまで11頭をセレクトセールで購入しています。2億4840万円のグラティアスの他に、2億520万円のブラジリアンソング、1億152万円のジェニーアムレットなど合計で10億以上を使っています。グラティアスを管理するのは美浦の加藤征弘厩舎で、飯塚知一氏所有の馬も多く預けているので、いい関係のようです。グラティアスのデビュー戦はルメールが騎乗して快勝、そして京成杯もルメールが騎乗して勝っています。初戦からルメールを配してくるというのはノーザンファームの意向もあるのではないでしょうか?

今年これまでの重賞勝ち馬の種牡馬を見ると、ディープインパクト産駒は社台ファーム生産馬で、他はハーツクライ、ロードカナロア、キズナ、オルフェーブル、モーリスと複数の種牡馬で勝っています。数々の重賞を勝ってきたディープインパクト産駒とキングカメハメハ産駒は現2歳で最後になります。ノーザンファームのこれからは複数の種牡馬で活躍馬を出して行かなくてはいけません。そして、活躍馬を出してセレクトセールでさらに大きな商いをするはずです。となると、宣伝効果のある配置というのが大事になってくるのではないでしょうか。

ノーザンファーム生産馬を購入すると、ノーザンファームの関連施設(外厩)などが利用できるみたいです。グラティアスとファインルージュとヒシイグアスはノーザンファーム天栄、、ショウリュウイクゾはノーザンファームしがらきでトレーニングをしていました。

外厩施設はノーザンファーム関連の他にも社台ファームは山元トレセンとグリーンウッド、ノースヒルズは大山ヒルズなどいろいろな施設がありますが、成績が示す通りノーザンファーム関連施設が一番ではないでしょうか。

重賞レースにおいてはノーザンファーム生産馬かそれ以外か。馬券を的中させるにはノーザンファームを知ることが一番だと思っています。

 

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