2021年の10月終了時点のJRAの生産者別の獲得賞金を見ると、1位はノーザンファームで134憶8850万円、2位は社台ファームで51憶171万円、3位は白老ファームで13億9474万円、4位は三嶋牧場で11億4782万円、5位は岡田スタッドで10憶4459万円でした。
また、馬主別で見ると1位はサンデーレーシングで30憶9288万円、2位はキャロットファームで26憶2942万円、3位はシルクレーシングで20憶29万円、4位は社台レースホースで17憶9113万円でした。
このようにノーザンファーム生産馬、ノーザンファーム系馬主が主導権を握っています。ノーザンファームは生産馬を個人、他クラブなどノーザンファーム系馬主以外にも販売しています。『ノーザンファーム生産馬=走る馬』というブランド化が出来ていますが、これを継続するためには結果を出し続けなくてはいけない。
ノーザンファーム生産馬の全てが重賞を勝てるわけはないですが、2020年度の重賞は139レースあり、そのうちノーザンファーム生産馬は58勝しています。馬主で見ると、サンデーレーシング15勝、キャロットファーム6勝、シルクレーシング14勝で合計35勝しています。また、26レース行われたG1レースのうちノーザンファーム生産馬が15勝、ノーザンファーム系の3クラブで13勝しています。
このようにクラスが上がるとノーザンファーム系の天下と言うのは今や当たり前。今年のダービーでは出走馬17頭中、ノーザンファーム生産馬が12頭いて、1着はサンデーレーシングのシャフリヤール、2着はキャロットファームのエフフォーリア、3着は大野剛嗣氏のステラヴェローチェ、4着はサンデーレーシングのグレートマジシャン、5着はサトミホースカンパニーのサトノレイナスでした。上位5頭がノーザンファーム生産馬と言うのが今年のダービーでした。
では、ダービー上位5頭の新馬戦での騎乗騎手を見ると、シャフリヤールは福永祐一、エフフォーリアは横山武史、ステラヴェローチェは川田将雅、グレートマジシャンはルメール、サトノレイナスもルメールでした。ルメールはノーザンファームによる騎乗馬の使い分けがありますが、福永祐一や川田将雅も同じように使い分けがあると思っています。また、彼らが新馬戦で騎乗する馬の多くが上位人気に支持されています。
このことから、ノーザンファームでは血統、育成で将来有望な競走馬にはルメール、福永祐一、川田将雅などを優先的に騎乗させる傾向があります。ということは、デビュー前にある程度のクラス分けをしているのではないかと思っています。例えばSクラス(G1級・種牡馬候補)、Aクラス(重賞級)、Bクラス(オープンクラス)、Cクラス(条件馬)など。Sクラスの馬にはルメール、福永祐一、川田将雅のほか短期免許で来日したレーン、マーフィーなどが優先的に騎乗。Aクラスになると、先の3名の他に関西では松山弘平、関東では戸崎圭太など。個人馬主になると武豊やデムーロなど。
このように、ノーザンファーム生産馬に誰が騎乗するかで、期待値がある程度は分かります。また、騎乗履歴を見ると、乗り替わりでその馬に期待値が分かります。
ノーザンファーム生産馬の年齢別・クラス別頭数
ノーザンファーム生産馬のデビュー戦に騎乗した騎手
新馬戦の鞍上は馬主か調教師が決めますが、ノーザンファーム系の場合は馬主が決めることが多いと思っています。なぜなら、育成段階で出世が見込める馬の新馬戦に誰を乗せるかはかなり重要。無敗の3冠馬を作るためには初戦から取りこぼせない。となると、実力がある騎手に依頼するのが当然の流れ。
上記のデータは、世代別のノーザンファーム生産馬のデビュー戦の手綱を取った騎手です。これを見ると、ルメール、福永祐一、川田将雅と言ったところが主力になります。関東ではルメールが主戦で、関西では福永祐一と川田将雅になります。
関東はルメール中心ですが、2番手は戸崎圭太です。今年の3歳に限っては横山武史が2番手になっています。
横山武史はキャロットファームのエフフォーリアで皐月賞と天皇賞秋を勝つなど、貢献しているので今後は騎乗依頼が増える可能性があります。ただ、新型コロナウイルスが終息して外国人騎手の来日が可能になると、レーンやマーフィーと言ったところに有力馬が回ってしまうと思います。
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